2012年6月8日実施
はじめに
運輸労連は、政策・制度の取り組みの一環として、例年「トラックの安全を守る全国行動」を展開しています。本年も6月4日(月)から8日(金)を行動期間として、(1)違法駐車状況実態調査、(2)デジタコ・スピードリミッター等実態調査、(3)職場安全点検調査、(4)過積載追放と過労運転防止運動ならびに飲酒運転撲滅、(5)事故多発地点点検、の5項目に取り組みました。本誌では、諸行動のうち(1)および(3)の調査結果を収録しています。
違法駐車状況実態調査は、都市部の主要道路における違法駐車の実態を把握することで、自治体等に対して駐車場整備・駐車スペース確保等の対策や「違法駐車防止条例」を制定させるなど、中央・地方における道路交通環境の改善に向けた運動に資するために、1992年から全国一斉に実施(1997年に交運労協の取り組みへ継承)しています。
21回目(交運労協としては16回目)となる本年は、6月8日(金)を道路調査統一行動日に設定して、運輸労連を中心に各都道府県交運労協の加盟産別のメンバー771名の参加により、沖縄県を除く46都道府県の71都市・418地点で、33,166台の違法駐車車両をカウントしましたが、その約3分の2が自家用自動車他となっています。
違法駐車問題については、政府も駐車場の整備や駐車対策の各種システムの整備、さらには「違法駐車防止条例」の制定等を積極的に促進していくことを明らかにしています。ただし、参考資料として添付した違法駐車防止条例、附置義務条例制定はここ数年大きな進展はなく横ばいの状態にあります。
また、2006年6月に施行された「改正道路交通法」により、民間の駐車監視員の導入とともに「放置車両であることが確認」できた車両については、駐車時間の長短にかかわらず「確認標章の取り付け」をもって違反とすることとなりました。しかし、道路を職場とするトラック運輸産業において、とりわけ集配車を中心に荷主先への持ち込み引き取りの際に「駐車」は不可欠です。一部には、ツーマンで対応する事業者もありますが、駐車違反の取締りに際しては公共的性格を持つ営業用自動車に対する配慮が求められます。
したがって、「違法駐車防止条例」や「附置義務条例」の制定、さらには駅前広場・駅構内や繁華街等におけるバス・タクシー・トラックベイの整備や駐車規制の適用除外(営業車等の待機駐車と荷捌きエリアの指定、短時間駐車エリアの指定)の取り組みが重要です。
中央においても、引き続き国土交通省・警察庁等への働きかけを強めますが、地連・都府県連においては、本実態調査の結果も活用しながら、各県交運労協を通じた関係部門に対する政策要求も含め、駐車問題の前進に向けて、より一層の取り組み強化を要請します。
なお、職場安全点検の総括は、後段の集計結果の概要の「まとめ」に記載しました。概ね前年と横ばいの傾向となっていますが、「乗務前のアルコールチェック」の実施状況の低下が目立っており、事業法の遵守に向けた職場点検の徹底が急務です。
最後に、本行動の取り組みに対する、各地連・都府県連ならびに加盟単組のご協力にお礼を申し上げます。
以 上
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