ワンポイント

その9 整理解雇の4要件とは?

 経営不振などを理由に、人員削減を目的として行われる解雇のことを「整理解雇」という。会社都合で行われるものであり、雇用保護の観点から厳しく制限されている。

 整理解雇は、過去の判例から以下の4つの要件が必要とされており、欠けていれば無効である。

  1. 人員削減の必要性
    どうしても解雇しなければならないほどの高度な必要性があるか。業績悪化による安易な解雇や便乗解雇は認められない。

  2. 解雇を回避する努力義務  
    解雇は最後の手段であり、その回避のための具体策としては、役員報酬のカット、新規採用の停止、昇給停止、時間外労働削減、一時帰休の実施、配転・出向、希望退職の募集などがある。

  3. 対象者選定基準の客観性と合理性  
    解雇対象人員の選定が、公正で公平でなければならない。

  4. 誠実な対応  
    労働者や労働組合の理解が得られるよう、誠実に説明・協議を行う必要がある。

 解雇は、労働者にとって重大な不利益をもたらすものであり、労働組合が組合員の雇用を守ることは最大の使命である。

 労働組合として、会社の経営状況を常に把握し、人員削減を検討していることを察知した場合は、早期の段階から解雇回避努力と経営再建の道筋を提示するよう求める必要がある。