運輸労連第58回定期大会 7月3日〜4日 福岡県・福岡市で開催

2025〜2026年度運動方針を決定
物流の価値を訴え続けていこう


大会全景

大会準備委員長あいさつ

代議員の質疑・要望

団結ガンバロー三唱
 運輸労連は7月3日(木)〜4日(金)の2日間、福岡県福岡市・ヒルトン福岡シーホークにおいて「第58回定期大会」を開催。代議員・オブザーバー(会場参加とWEB参加)のほか、481名が参加しました(うち女性31人、女性参画率6.44%)。
 大会は丸山中央副執行委員長による力強い宣言で開会し、議長団選出(東海・四国・九州ブロック)、大会役員・書記の任命の後、成田中央執行委員長の主催者あいさつ(下記参照)でスタート。会場には、連合・芳野会長をはじめ、運輸労連政策推進議員懇談会・海江田会長(衆議院議員)、交運労協・池之谷議長、労働金庫連合会・古川副理事長、こくみん共済coop・濱田常務理事ほか、多くの来賓にご臨席を賜りました。
 来賓あいさつで連合・芳野会長は「2025春季生活闘争では、基本方針の5%以上の賃上げ目標を達成し、確実に新たなステージの定着に向け前進をしています。一方、物価は高止まりし、実質賃金は厳しい状況が続き、大手と中小事業者との格差解消に歯止めをかけたとはいえません。中小企業も含め、生産性向上に直結する賃上げが当たり前の社会を実現するため、連合としてもしっかり取り組んでいきたい」と連帯のあいさつを述べました。また、運輸労連政策推進議員懇談会・海江田会長からは「貨物自動車運送事業法の一部改正法ならびに貨物自動車運送事業の適正化のための体制の整備等の推進に関する法律が6月4日の参議院本会議で成立したのは一つの成果です。ただ、解決すべき問題はまだたくさんあり、さらに運輸労連のみなさまと一緒になって働きやすい環境を作るために頑張らなければいけない」と力強いあいさつをいただきました。続いて、第27回参議院議員通常選挙 運輸労連比例代表推薦候補者の4名から決意表明のビデオメッセージをいただきました。
 議事では、報告・承認事項として「2024年度経過報告」と「2024年度会計・決算報告」を承認。その後、第1号議案「2025〜2026年度運動方針」、第2号議案「規約・規程の一部改正」、第3号議案「2025年度一般会計予算ならびに特別会計」を提案。運動方針案などに対して代議員から質疑・要望があり、各担当役員が答弁し、1日目の議事は終了しました。
 大会2日目は、前日の一般経過報告と運動方針案に対して再度の質疑・答弁を経て、第1号議案「2025〜2026年度運動方針」、第2号議案「規約・規程の一部改正」、第3号議案「2025年度一般会計予算ならびに特別会計」をそれぞれ可決しました。
 その後、「第27回参議院議員通常選挙必勝決議(案)」と「スローガン」を採択。第4号議案「役員選出」により、2025〜2026年度の新執行部体制が発足しました。閉会のあいさつでは、前中中央副執行委員長が「トラック運送業界を取り巻く状況は、業界の再編含め転換期を迎えていると思われます。トラック運輸産業にとって明るい未来を切り開くためにも、地連・都府県連ならびに各加盟組合全体で運動の前進に向け、一致団結した取り組みをお願い申し上げます」と呼びかけ、最後に成田中央執行委員長の発声で「団結ガンバロー三唱」を行い、第58回定期大会は終了しました。


<スローガン>
実行しよう!組織強化と組織拡大
実現しよう!継続的な賃上げと働きがい
― 笑顔あふれるトラック運輸産業へ ―



委員長あいさつ(要旨)


中央執行委員長
成田幸隆

職場最前線で働く組合員に
「伝わる運動」を!


 この2年間多くの課題に向き合ってきましたが、あっという間であったと感じています。自然災害については、「令和6年能登半島地震」をはじめ、トカラ列島近海での地震や記録的な大雨など、近年、自然災害が頻発しています。運輸労連では昨年、運輸労連版の「愛のカンパ」を創設して、被災者に機敏かつ公平に支給できるよう対応しています。
 次に、最近の政治状況です。アメリカのトランプ大統領が1月に就任し、選挙戦で掲げたロシアとウクライナの終戦仲介はむしろ戦況悪化の様相を呈しています。イスラエルとイランの停戦についても、軍事力での抑え込みがまかり通る世界は危険だと感じています。日本は戦後80年を迎えましたが、いまだに戦争の爪痕に苦しむ人々がいます。今こそ「平和の尊さ」を考える重要な時期にきていると考えます。
 こうした中、日本では6月22日に通常国会が閉幕。政治の混乱の中でも、野党が共同提出した、物流業界の長年の懸案である「ガソリンの暫定税率廃止」については、参議院で採決されず廃案となりましたが、次の臨時国会での実現を強く要請したいと考えています。一方、事業法改正と新法はタイトなスケジュールの中ではありましたが、参議院で成立できました。今後は国土交通省や全日本トラック協会と連携し、実のある制度とするため尽力していきます。
 2025年春季生活闘争では、昨年を上回る賃上げ要求(15,500円中心)に挑みました。燃油費の高止まりや貨物総輸送量の減少など、依然として厳しい経営環境の中、多くの労使で真摯な交渉を行っていただき、過去30年で最高の解決額となりました。来年以降も継続した賃上げが必要であり、本定期大会での十分な議論をお願いします。
 「物流の2024年問題」については、物流が止まるという事態には至っていませんが、問題が解決したわけではありません。今後は、トラックドライバーの担い手不足により、何もしなければ2030年には輸送能力が34%不足するとされる「2030年問題」も見据え、物流の危機的状況を共有化していく必要があります。業界を変えていくためには、真面目にルールを守っている事業者が報われ、その働きの価値が正当に評価されることが不可欠です。トラック運送は、社会インフラとして人々の生活と命を預かっているという「価値」を引き続き訴え続けていきます。
 組織強化・拡大についても、地連・都府県連と一体となり、向こう2年間で結果を出していかなければいけません。ジェンダー平等の推進については、運輸労連における女性組合員の割合は14.2%と増加傾向にあるものの、まだ十分ではありません。今年度がジェンダー推進計画の最終年です。中央本部、地連・都府県連、単組が連携し、より積極的な取り組みを進めてまいります。
 2年前の就任時に「伝える」ことと「伝わる」ことの違いを申し上げました。これからも、職場最前線で働く組合員にしっかり「伝わる運動」をしたいと考えています。皆さまの熱心な討論によって2年間の運動方針が決定されることを願い、ご挨拶とさせていただきます。

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