運輸労連第57回定期大会 7月4日〜5日 東京・浅草公会堂で開催

2024年度(中間年)運動方針を決定
労働時間の長さに依存しない賃金制度へ

 運輸労連は7月4日(木)〜5日(金)の2日間、東京・浅草公会堂にて「第57回定期大会」を開催。全国から代議員・オブザーバー(WEB傍聴)など、402名(うち女性26名、女性参画率6.48%)が出席しました。
 大会は金作中央副執行委員長の力強い宣言で開会し、成田中央執行委員長があいさつ(下記参照)で登壇。会場には、連合・芳野会長をはじめ、交運労協・住野議長、運輸労連政策推進議員懇談会・海江田会長(衆議院副議長)、全国労働金庫協会・松迫副理事長、中央労働金庫・安永副理事長、こくみん共済coop<全労済>・濱田常務理事ほか、来賓のご臨席を賜りました。
 来賓あいさつでは連合・芳野会長が登壇。この間の能登半島地震に対する救援カンパやボランティア活動への感謝を述べ、「復旧には時間がかかります。被災地の皆さんが復興を実感できるその日まで、一丸となって支援活動に取り組んでいきましょう」と呼びかけました。また、2024春季生活闘争については、連合が掲げた5%以上の賃上げを達成したことを報告。今後の焦点には、中小企業の賃上げ(企業規模間の格差是正)を挙げ、「労務費などの適切な価格転嫁が重要」としました。一方で、昨今の政治状況にも触れ、政権の裏金問題について「国民は納得できていない。こんな政治は終わらせなければならない」と強調し、政治のリセットへ向けた団結を訴えました。その他、ジェンダー平等や多様性推進の重要性にも言及し、誰もが安心して働ける社会の実現に向けた連帯のメッセージを締め括りました。
 来賓あいさつに続いて、第27回参議院議員通常選挙の推薦候補者からは決意表明のあいさつをいただきました。
 議事では、杉山中央書記長が「2023年度経過報告」および第1号議案「2024年度(中間年)運動方針」を提案。代議員から質疑・要望が出され、大会1日目が終了しました。
 大会2日目、議事を再開し、「2023年度会計・決算報告」を承認。運動方針案に関する15名の代議員からの質疑・要望に対して、中央本部の各担当役員が答弁し、満場一致で経過報告・第1号議案を承認・可決しました。続いて、福本中央副執行委員長が第2号議案「運輸労連愛のカンパ基金」の創設を提案し、満場一致で可決。第3号議案「2024年度一般会計予算ならびに特別会計」についても、満場一致で可決されました。
 次に、「第50回衆議院議員総選挙必勝決議(案)」と「スローガン」を採択し、特別中央執行委員を確認。その後、森中央副執行委員長が「全国の仲間が団結して運動を続ければ、未来はきっと明るいはずです。ともに頑張りましょう」と閉会のあいさつを述べ、最後に成田中央執行委員長の掛け声による「団結ガンバロー三唱」で、第57回定期大会は閉会しました。


<スローガン>
産業間格差を是正し、持続可能な運輸産業を構築しよう!
―価格転嫁の実現で賃金労働条件を改善し、魅力ある産業の確立を―



委員長あいさつ(要旨)


中央執行委員長
成田幸隆

運輸産業のリーダーユニオンとして

 元日に発生した「令和6年能登半島地震」でお亡くなりになった方のご冥福をお祈りするとともに、ご遺族にお悔やみを申し上げます。また、怪我や家屋損壊などの被害を受けられた皆様にも、お見舞いを申し上げます。そして、この間の運輸労連の仲間をはじめとした被災者の支援に向けた緊急カンパの取り組み、連合被災地救援ボランティアへの派遣要請にご協力いただいたすべての皆さんに対して、この場を借りてお礼を申し上げます。本当に、ありがとうございました。
 地震の翌日には、羽田空港の滑走路で飛行機が炎上する大事故がありました。私たちの職場も「安全第一」であり、自分事として考えなければなりません。「これまで大丈夫だったから」ではなく、もう一度、作業手順書の見直しなど、現場最前線での再点検をお願いいたします。
 世界の平和は誰もが望むところですが、現実は戦火が絶えません。こうした状況を克服するための政治ですが、日本では「政治とカネ」の問題を受け、岸田内閣の支持率は低下の一途を辿っています。一方で、対立軸として期待される野党第一党の立憲民主党は支持率を伸ばしています。潮目が大きく変わり、政権交代の現実味が出てきていると考えます。緊張感のある政治、そして私たちの思いが伝わる政治を実現するために、運輸労連が推薦するすべて候補者の必勝に向け、最後の最後まで闘い抜いていきましょう。
 また、2024春季生活闘争については、適正運賃・料金の収受がこれからということもあり、大変厳しい状況にもかかわらず、それぞれの労使で真摯に交渉をしていただいた結果、多くの組合で前年を上回っています。とりわけ、全国単組を除いた加盟組合の平均上昇率が顕著で、産業内の格差は縮小傾向にあります。ただし、他産業との格差は拡大しています。今後も継続して、力強く賃金の引き上げを進めていかなければなりません。
 私たちはいわゆる「物流の2024年問題」の真っ只中にいます。これに対しては政府も私たちの課題が含まれた「物流革新に向けた政策パッケージ」を取りまとめるなど、これまでにない姿勢を示しています。さらに直近の4月26日には、参議院の本会議で物流関連二法(「物資流通効率化法」「貨物自動車運送事業法」)の一部改正が可決・成立しました。私も、成立前に衆参両院の国土交通委員会で参考人招致(質疑)に立ち、働く仲間の思いを訴えさせていただきました。この法律によって、多重下請構造や荷主の優越的な商慣行が見直されることを期待しています。適正運賃・料金の収受によって賃上げの原資を確保するために、引き続き消費者を含めた社会全体の意識改革に取り組み、取引環境の整備を進めていきたいと考えます。
 これからも、運輸産業のリーダーユニオンとして「頼れる運輸労連」をめざしてまいりますので、特段のご協力をお願いいたします。

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