運輸労連は12月9日(木)、第52回運輸セミナーをWEBにて開催(東京・全日通霞が関ビルから配信)。251名の仲間が全国から参加し、2022春季生活闘争に向けて気持ちを一つにしました。
開会にあたり難波淳介中央執行委員長は、「感染症対策に尽力される中、日々の物流を止めないとの使命感で、ご奮闘・ご苦労されている皆様に感謝を申し上げます」と述べた後、この一年を回顧。まず、東日本大震災から10年の今年、その後も震災が相次ぐ中で、物流の重要性はますます高まっていることを強調しました。しかし、減少傾向にはあるものの「送料無料」の表記が当たり前のように使用される現実も指摘。こうした矛盾の中、ドライバー不足が深刻なのは日本にとどまらず、米国・英国も含めた世界的な課題であるとし、「今から手を打たなければ物流は止まってしまう。サプライチェーン・物流を利用するすべての皆さんが自分事として対策を打たなければなりません。そのために私たちは、あらためてトラック運輸産業の実態を発信するとともに、物流の現場に人が集まってくるような魅力的な産業に変えていく運動を進めていきましょう」と主張しました。
そして、感染症にカーボンニュートラル、DXと変革期にある物流の未来については、「AIに置き換わる産業・業種として取り上げられることもあったが、今回のパンデミックでもトラック運輸産業が経済活動や社会生活の維持に不可欠なものとして再認識されたことは疑うことのできない事実。期日をもって自動化やAI化されるものではない。トラックドライバーによる運送はこれからも続く」ことを念頭に運動を進めていこうと力強く呼びかけました。
一方で、先ごろ行われた第49回衆議院議員総選挙にも言及し、「連合の意見集約を踏まえて運輸労連としても総括したい」と報告。来夏の第26回参議院議員通常選挙については、「投票率の引き上げに向けて、政治が生活に直結していることを強く訴えていただくことをお願いしたい」と、あいさつを締めくくりました。
その後、セミナーの第1講演は、日本労働組合総連合会総合政策推進局・総合局長の仁平章氏による「連合2022春季生活闘争方針」について。仁平氏は連合方針を解説しながら、スローガンに掲げた「未来をつくる。みんなでつくる。」春闘に向けて、「それぞれの産業における最大限の『底上げ』の取り組みをお願いしたい」とまとめました。続く第2講演は、慶應義塾大学経済学部教授の小林慶一郎氏による「コロナ危機と政策対応」について。政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の構成員も務める小林氏に、この間の感染症対応の振り返りや今後の展望について、経済学の見地からお話をいただきました。
以上の2講演をもって、第52回運輸セミナーは終了しました。
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