運輸労連議員懇メンバーの松田功衆議院議員が
高速道路のSA・PAの大型車両駐車場の増設と深夜割引適用時間の拡大について質問


 

 運輸労連政策推進議員懇談会メンバーの松田功衆議院議員(比例東海)が、3月24日(水)国土交通委員会において、トラック運輸産業全体の問題として運輸労連も取り組んでいる「高速道路のサービスエリア、パーキングエリア(以下、SA・PA)の大型車両駐車場の増設と深夜割引適用時間の拡大」に関する質疑を行いました。

 松田議員から「物流輸送にあたり高速道路を利用する中において、高速道路のSA・PAなどの大型車両駐車場、大型駐車マスの不足が言われている。主な原因として、
 1つ目が、厚生労働省の改善基準告示を遵守するため、高速道路を4時間走行すれば30分、東京―九州間などの長距離運行で拘束時間16時間を超える場合は8時間休息を取る必要があり、SA・PAなどでの長時間駐車を余儀なくされること。
 2つ目が、ジャスト・イン・タイム方式の普及により荷物の集荷、出荷時間から配達、納品時間までの時間調整をするようになるため、発荷主、着荷主の庭先か周辺での待機がベストではあるが、現実的には難しく、路上駐車をするわけにもいかず、結果、SA・PAなどが時間調整の場所になっていること。
 3つ目が、規制緩和による過当競争の結果、業界内の運賃が下落し、高速道路料金の負担がトラック事業者の重荷となってきたため、SA・PAなどで深夜割引適用時間までの時間調整に利用されていること。
 このような状況下で、NEXCO3社においては、大型駐車マスだけでなく普通車兼用マスを含む数値ではあるが、2018〜2019年度は69か所・1,012台分、2020年度は予定ではあるが、53か所・1,189台分と増設されている。しかし、名神高速草津PAにおいては、大型駐車マスが増設されたものの、用地が限られていたことから、増設前と比べて出入りがしづらいものとなってしまった箇所もある。大型駐車マスの増設は必要であるが、ほかの利用者の通行、駐車に配慮した整備をすべきである。また、料金所出口付近での大型車の待機問題については、都市部に入る手前の地域での大型車両駐車場の増設が業界から望まれているが、物流の交通行政全般を考えなくてはならない問題と考えている」と質問。
 赤羽国土交通大臣から「トラック運送事業、物流は、我が国の経済を支える重要なインフラである。出品と納品の間の時間調整については、荷主の方が強い立場で、ジャスト・イン・タイムの要求があり、そのための待機時間も料金に込みであるということだが、これはあってはならず、法改正もさせていただき、様々な取り組みをしているところである。昨年年末から今年2月にかけての大雪の際に、多くのトラックが滞留したことについても、ジャスト・イン・タイムで毎日輸送されている実態が遠因の一つだと考えており、荷主の皆さんの理解を得ながら、適正な物流の在り方を考えていかなければいけない。その中で、特に大型車の駐車スペース不足というのは、全国各地で指摘をされており、来年度には更に600〜700台分の駐車マスの拡充を検討している。駐車マスが拡充できるところはしっかり拡充し、無理のない適正な物流の在り方も探りながら、健全な成長をしていかなければいけない」との答弁がありました。
 さらに松田議員から「トラックドライバーの労働環境改善のためには、高速道路の割引適用時間の拡大をすることによって、必ずしもSA・PAなどで滞留しなくても済むような環境整備を進めることが考えられる。安全運行のためにも、また労働環境改善のためにも、深夜割引時間帯の拡大が望まれるが、いかがか」と質問。
 国土交通省から「一般国道の沿道環境を改善するため、交通容量に余裕のある高速道路夜間利用の促進を目的とした割引制度であるが、ご指摘いただいた料金所直前のスペースやSA・PAなどにおいて車両が滞留するといった課題が生じており、労働環境改善のために、利用者団体から適用時間帯の拡充の要望が出されていることも承知している。現在、社会資本整備審議会道路分科会国土幹線道路部会において割引の在り方について議論を進めているところであり、その結果も踏まえながら、深夜割引制度の具体的な見直しについての検討を進めていきたい」との答弁がありました。
 最後に松田委員から「コロナ禍で物流が大きく変わってきていて、利用者も増え、特に都市部近くでの待機が非常に多くなってきている現状であり、是非、進めていただきたい」と述べられました。


   

ウインドウを閉じる