運輸労連は12月4日(金)、第51回運輸セミナーを開催。新型コロナウイルス感染症対策として、会場参加(全日通霞が関ビル)とWEB参加の併用開催となりました。会場49名、WEB155名の計204名が参加し、2021春季生活闘争に向けての情報や認識を共有しました。
開会にあたっては、難波中央執行委員長が登壇。あいさつの冒頭では、今年も多発した自然災害からの復旧・復興に奮闘する方々へお見舞いが述べられました。
併せて、コロナ禍でも使命感をもって荷物を運び続ける仲間たちへ感謝の意が表されました。
また、今年を振り返り、新型コロナウイルス感染症が発生した以降は、トラック運輸産業に対する評価として、物資の流通に尽力するトラックドライバーの姿に称賛の声が上がりました。しかし、トラックドライバーに向けて配送先や街中からの誹謗中傷やいわれなき職業差別的な声が上がっていた事実を見れば、未だに物流の価値が正当に評価されていないことに驚きました。また、活況を呈するEC事業(通販)では「送料無料」の表示がスタンダードになっていることも挙げられました。こうした状況下、2021春闘では「厳しい経営環境にあることを承知しつつも、継続は力。正々堂々と要求し、交渉を進めることが重要になります。生活・経済の根幹を支え、社会インフラであるトラック運輸産業が正当に評価される時代をつくりましょう」と結束を呼びかけました。
一方で、2021年は衆議院議員総選挙を控えた年。私たちの生活と密接に関わる政治については、「有権者一人ひとりが自らの意志を選挙で示すことが大切。それが、国民に寄り添った政治体制の確立に向けた一歩を踏み出すきっかけになると信じています」と、あいさつを結びました。
その後、セミナーの第1講演は、国際医療福祉大学医学部・感染症学講座主任教授で、国際医療福祉大学成田病院感染制御部・部長の松本哲哉氏による「新型コロナウイルス感染症の特徴と感染予防対策、今後の見通し」について。松本氏は、現場の最前線で診断と治療にあたっている医師でありながら、講演会やテレビなどで新型コロナウイルス感染症の情報を発信し、感染症に対する注意喚起を呼びかけています。その松本氏に、潜伏期間や年齢別の症状をはじめ、重症化のリスク因子や消毒のポイントなどをわかりやすく解説していただきました。続く第2講演は、日本労働組合総連合会総合政策推進局・労働条件局局長の藤川慎一氏による「連合2021春季生活闘争方針」について(収録動画を配信)。講演で藤川氏は、「賃上げの流れを継続しながら、連合としてどういう旗を振っていくか議論を尽くしてきました」と述べ、2021春闘でも「賃金が働きの価値に見合った水準となるよう、それぞれの産業で最大限の『底上げ』の取り組みをお願いしたい」とまとめました。
以上の2講演をもって、第51回運輸セミナーは終了しました。
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