業界団体へ新型コロナウイルス感染症に関する緊急要請
左)交通労連 書記長 佐々木 弘臣氏
右)全日本トラック協会 理事長 桝野龍二氏 |
4月17日(金)、運輸労連(難波淳介中央執行委員長)と交通労連(園田龍一中央執行委員長)の両組織は共同で、トラック運送事業者の業界団体である公益社団法人全日本トラック協会に対し、新型コロナウイルス感染症に関する下記6項目について緊急要請(内容の詳細は添付資料参照)を行い、与党ならびに行政、経済団体等に対して支援要請を図られるよう求めました。
【緊急要請】
- マスク・消毒液等の衛生用品
- トラック運輸産業に対する国民の理解と協力
- トラック運輸産業に従事する労働者の新型コロナウイルス感染時の補償ならびに雇用調整助成金のさらなる拡充
- 食品関連輸送の平常化に向けて
- 新型コロナウイルス感染者が発生した場合の対応方法
- トラック運輸産業に対する諸負担の軽減
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、緊急事態宣言の対象区域が全国に広がることが決まった中で行われた緊急要請。冒頭、全日本トラック協会の桝野龍二理事長に要請書を手交しました。
その後、両組織を代表して難波中央執行委員長から「国民生活を支えるライフラインとして重要な役割を担っているトラックの仲間は、この厳しい環境下の中で頑張っている。従業員の健康確保はもとより、取引先や配送先のお客様への感染防止から、さまざまな取り組みを実践している。また、ドライバー自身はもとより家族への二次感染など健康面における不安から、退職を考える者も出てきているなど、人手不足の状況が加速する恐れが危惧されている。ドライバーをはじめとするトラック運送従事者の健康と雇用を守ることを第一に、さらにはライフラインを止めない、物流崩壊による経済はもとより国民生活の破綻を惹起させないためにも、働く者の立場から要請する」と述べました。
全日本トラック協会の桝野理事長は、「新型コロナウイルス感染の影響がトラック運送事業者においても出てきている。とくに現場の従事者に対するリスペクトに欠けた事案も散見される。この厳しい環境下の中で頑張っている事業者の皆さんに対し、後押しになるようなメッセージを発信していかなくてはならない」と述べました。
次に、両組織からトラック運輸産業の実態や職場の現状を含めた緊急要請が行われました。併せて、急きょ口頭による追加申入れが下記の内容で行われました。
【口頭による追加申入れ(要旨)】
2.トラック運輸産業に対する国民の理解と協力
新型コロナウイルスの感染が危惧されるのは、医療機関等ばかりでなく、トラック運送業も同じである。海外では「エッセンシャルワーカー」と呼ばれる「社会を支えるためにリスクを背負っている職業」の1つとして、トラックドライバーが称賛されている事例もある。物流を止めてはならないという使命感によって、トラック輸送は継続されている、その現状についても、国民に周知され理解が得られるよう、行政やメディア等の協力も得ながら、情報の発信をお願いしたい。
3.トラック運輸産業に従事する労働者の新型コロナウイルス感染時の補償ならびに雇用調整助成金のさらなる拡充
このような事態の中、会社の正常な業務を支えている従業員の努力に対して、「支援金」の支給を行う企業もあると聞いているが、従業員の励みになる、大変、好ましい対応であると考える。大手スーパーなどでも同様の取り組みがなされており、可能な企業については、取り組んでいただきたいと考える。検討をお願いしたい。
以上、口頭による追加申入れ含め6項目の緊急要請を受け、全日本トラック協会は、「いずれについても引き続き、関係各所への対応を強く求めていく。一方、いまだ経験のない状況下でもあるため、具体的な事例や個別の情報があれば情報提供をお願いしたい」など、現時点における考え方を説明しました。
要請する運輸労連の難波中央執行委員長
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発言する全日本トラック協会の桝野理事長
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