中央執行委員長
難波淳介 |
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運輸産業の課題と展望を社会全体で共有し
物流の位置付けを高めていこう
6月18日に発生した大阪府北部地震に遭われたすべての皆様にお見舞いを申し上げます。運輸労連は、引き続きこれまでの震災を風化させない運動に取り組むとともに、全国各地で経験した教訓を活かし、自然災害に対する防災・減災の活動に積極的に取り組んで参ります。
周知のとおり、昨年の第50回定期大会で決議し取り組んだ「100万人請願署名」は、185万筆の署名を集めることができました。すべての仲間の皆様に感謝申し上げます。
この署名活動は各方面へ波及し、連合でも取り組みを強化していただきました。一般則の適用は叶わなかったものの、衆参両院の附帯決議で、現行の「改善基準告示」の総拘束時間の早期見直しが盛り込まれたことは大きな前進です。こうした働き方改革に関連して、「兼業・副業」が解禁となる可能性もありますが、長時間労働の是正が喫緊の課題であるトラック運送事業にはそぐわないことを強く訴えていきたいと考えます。「兼業・副業」反対の立場で主張を続けるとともに、総拘束時間の縮減が賃金水準のダウンとならないよう、賃金体系の見直しも含め関係各所への働きかけを強めて参ります。
トラックの安全に目を向けると、2017年1月〜12月の労働災害発生状況は、陸上貨物運送事業の死亡災害が137人・前年比38.4%増、死傷災害も14,706人で前年比5.2%増となっています。事故・災害の発生は本人のみならず、家族や同僚にとっても大きな傷跡を残します。今年の6月に、睡眠不足のトラック運転手の乗務を禁止する改正輸送安全規則が施行されたことも踏まえ、事故災害ゼロ職場の実現に向けて不断の取り組みを進めていくことを大会参加者全員で確認しましょう。
最後に、春季生活闘争についてです。今次春闘は、中小労組の頑張りが目立ちました。同時に、従業員・組合員の賃金に対する中小企業経営者の意識の変化も感じられました。言うなれば、これまで私たちが春闘交渉の中で主張してきた考え方に、企業経営者の考え方が近づいてきたといっても良いと思います。しかし、組合が月例賃金の引き上げ交渉を重ねる一方で、企業経営者の抵抗感はやはり根強いのも事実です。いずれにしても、2019春闘の大きなテーマになり得る点は、「働き方改革」の実践による長時間労働の是正が賃下げとならないように、賃金諸制度の見直しを進めていかなければならないということです。
以上、運輸産業の課題と展望を社会全体で共有し、物流の位置付けを高めることで真に魅力ある産業にするために、この1年を皆さんとともに取り組んで参りたいと思います。
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