運輸労連は1月9日(火)、東京・全日通霞が関ビルにおいて「2018新春交歓会」を開催。連合をはじめ、立憲民主党、民進党、希望の党、国土交通省、全日本トラック協会、関係団体などから約220名が出席しました。
難波中央執行委員長は主催者あいさつの冒頭で、物流を止めないための「100万人請願署名」のお礼と集約状況を報告。「183万筆の署名を集約できたのは、交通・運輸の仲間に加えて、他産業の皆様からもご協力をいただいた賜物。1月下旬から始まる通常国会で、トラック運転手の思いが通じるよう活動を進める」と、力強く述べました。引き続き難波中央執行委員長は、2018年は「予感」「予測」「予防」、この「予(あらかじ)め」を意識して運動を進めていく年とし、新年の決意として、「今春闘の交渉場面を『働き方・休み方』を見直す機会と捉えて魅力あるトラック運輸産業を再構築し、人材不足の『ピンチ』を『チャンス』に変えていかなければならない」としました。
続く来賓あいさつで連合・神津会長は、働き方改革に触れ、トラック運転手が例外的な扱いを受けることについては、「連合が率先して対処していく」ことを強調しました。また、立憲民主党・枝野代表は「永田町に振り回されることなく、働く皆様に目を向けていく」、民進党・増子幹事長は「トラック輸送は日本の命。『働き方改革』には野党が一丸となって取り組まねばならない」、希望の党・古川幹事長は「野党が連携し、過労死の悲劇はもう起こさせない」と、それぞれの立場からあいさつをいただきました。
続いて、国土交通省・奥田自動車局長からは「生産性の向上、多様な人材の活用、取引環境の改善を3本の柱に取り組む」こと、全日本トラック協会・桝野理事長からは「全国に拡がる人手不足に対する不安を払拭し、有為な人材の入ってくる業界にしたい」とそれぞれ意気込みを語られました。
その後、森下中央副執行委員長の音頭で乾杯。出席者がそれぞれ親睦を深めた後、重村中央副執行委員長の閉会あいさつをもって、2018新春交歓会は終了しました。
●主催者あいさつ(要旨)
次の50年に向けて歩み出した私たちが
物流を止めるわけにはいかない
中央執行委員長 難波 淳介
2018年は「予感」「予測」「予防」、この「予(あらかじ)め」に意識を置いた運動に取り組みたいと思います。物流の主役であるトラック運輸産業は若者の激減とドライバーの高齢化・人手不足に直面し、「ピンチ」です。先達たちが紡いできた運輸労連の50年から、次の50年に向けて歩み出した私たちが物流を止めないためには、労働環境と労働条件の改善が不可欠です。物流という魅力的な産業を確実に次世代につないでいくためにも、引き続き物流の重要性を社会に発信していく年にしたいと考えます。
さらにサプライチェーン(供給網)の一員として、トラック運輸産業の時間外労働是正に向けた取り組みをより一層強化する一年にして参ります。
そのためにも、2018春闘が大きな意味を持ちます。今春闘では賃金闘争に加え、とりわけ「働き方・休み方」の議論を積極的に行っていただきたいと思います。働き方改革の内容が法制化してから議論を始めるのではなく、「予め」各企業労使がそれぞれ特徴のある「働き方・休み方」に向けた労使協議を進め、魅力あるトラック運輸産業を再構築しましょう。そうすることで、人材不足の憂慮を払拭し、トラック運輸産業の「ピンチ」を「チャンス」に変えていかなければなりません。
変化は毎年訪れます。今年の変化を「予感」をフル動員し、「予測」「予防」に当たって参ります。ただ、時代が変化しようと基本にあるのは、「誰でも出番のある社会」「まじめに働く者が報われ、正しく評価される社会」です。その実現のために、本年も邁進して参ります。
|