<自動車運転者に改正労働基準法の時間外上限規制の 一般則適用を求める決議>
「働き方改革実現会議」における時間外上限規制の導入の機運に、私たちは長時間労働の是正に向けた大きな期待をもった。その期待とは、現在適用除外になっている自動車運転の業務が、適用業務となることと、他産業と同じ時間外上限規制が適用されることである。
3月末に公表された「働き方改革実行計画」によると、上限規制については、原則月45時間以内、年360時間以内とされ、繁忙月については労使協定を前提に、年720時間以内、2ないし6か月の平均が休日労働を含めて80時間以内、単月でも休日労働を含めて100時間未満とされた。
自動車運転業務の適用除外の問題については、今回適用業務となることで解決をみた。しかしながら、その内容は、他産業の施行後5年の猶予期間、しかも、適用される上限時間は、年960時間以内、というものである。特に問題なのがこの960時間には休日労働が含まれておらず、これを年間総拘束時間に置き換えると、現行の改善基準告示の水準と何ら変わらないことである。
そもそも、労働基準法は、労働者が人たるに値する生活を営むための最低基準を定めたものであり、従事する業務によって時間外労働の上限規制に違いを設けること自体、間違っている。すべての労働者に同じ基準が適用されるべきであり、このままでは、過労死認定基準を超えて働くことを国が承認するのと何ら変わらない。そのような法改正を受け入れるわけにはいかない。
労働基準法の改正案は、秋の臨時国会に提出される見込みである。残されている時間は少ない。私たちは、改正案を修正させるために、自動車運転業務への理不尽な時間外上限規制を、社会的な合意を形成することで跳ね返していく必要がある。そのために、100万人署名の実施をはじめ、広く世論を喚起する運動を展開していくことをここに決議する。
2017年7月7日
全日本運輸産業労働組合連合会 第50回定期大会
<スローガン>
魅力ある運輸産業をめざし 政策実現に向けた力強い運動を!
若者が夢と希望をもって働くことができる未来を構築しよう |