運輸労連第49回定期大会(中間年) 7月7日〜8日東京・浅草公会堂で開催

2016年度(中間年)運動方針を決定
着実な政策の前進に向け、今こそ運輸労連の英知を結集しよう

 運輸労連は東京・浅草公会堂において7月7日(木)〜8日(金)の2日間「第49回定期大会」を開催。全国から代議員・オブザーバーなど約650名が出席しました。
 開会にあたり、森下中央副執行委員長は「労働力不足の中、トラック運輸産業への理解と関心を深める運動を進めることが重要」とあいさつ。
 難波中央執行委員長のあいさつの後、来賓として連合・逢見事務局長、運輸労連顧問の赤松衆議院議員(民進党両院議員総会長)があいさつを行いました。また大会には、全国労働金庫協会・安藤常務理事、中央労働金庫・山崎副理事長、全労済・阿部田常務執行役員ほか多数の来賓の方々のご臨席を賜りました。
 来賓あいさつで連合・逢見事務局長は「過労死が年間で100件を超える先進国は日本だけ。今やるべきことは長時間労働を抑制するための法的な枠組みの構築である。それに逆行するような高度プロフェッショナル制度をはじめとした、安倍政権による労働法制の改悪は認めることはできない」と訴えました。
 大会議事では、「一般経過報告」および第1号議案「2016年度運動方針」が小畑中央書記長から提案されました。この提案に対し、11名の代議員から質疑・要望の発言がなされ、1日目の議事を終了。
 大会2日目は、2015年度決算報告・会計監査報告が採決された後、前日の一般経過報告・2016年度運動方針(案)に関する質疑・要望に対し、中央本部の各担当役員が答弁。その後「一般経過報告」が承認され、続いて、第1号議案「2016年度運動方針」が満場一致で可決。第2号議案「2016年度一般会計予算ならびに特別会計」を福本書記次長が提案し、満場一致で可決されました。
 そして、第24回参議院議員通常選挙(比例代表)における推薦候補者(代理含む)より挨拶がなされました。その後、参議院選挙必勝決議とスローガンが採択された後、燒中央副執行委員長が「私たちの政策が一歩でも半歩でも前進させるため英知を結集することを全員で誓いあいたい」と、閉会のあいさつ。最後に全員の「団結がんばろう」三唱をもって第49回定期大会は無事終了しました。

 

スローガン
力と政策 運動と未来
社会的地位を向上させ
魅力ある運輸産業を構築しよう



委員長挨拶(要旨)


中央執行委員長
難波淳介

物流の社会性を訴え、労働条件を改善し
魅力あるトラック運輸産業への転換を


 最初に、4月14日に発生した熊本県を中心とする九州地震で被災された皆様へ心よりお見舞いを申し上げます。
 運輸労連は、地震発生直後より輸送インフラを活用し、被災者に向けた支援物資が的確に届くように取り組んできました。また、多くの運輸労連の仲間たちがボランティアとして被災地で活動しました。さらに緊急カンパを実施し、全国の仲間の皆様からたくさんの善意が寄せられました。 改めて感謝申し上げます。
 私たちは被災地の復興に対する継続的な支援活動を行わなければなりません。私たち自らができることを考え行動に移したいと思います。
 運輸労連の2016春季生活闘争に関しては、賃上げの妥結率で前年を下回るものの、大手・中小の規模間格差は縮小。今後は、「運輸労連モデル賃金」の浸透をさらに図るなど、定昇制度のない賃金体系が中心となっているトラックドライバーの賃金制度の改定も含め、底上げに向けた運動を構築しなければならないと考えています。
 トラック運輸産業は他産業に比べ、「低賃金で長時間労働・労災事故が多い業種」といわれています。年間総労働時間の比較では、厚生労働省の産業計平均2160時間に対し、営業用貨物自動車平均は2609時間と、他産業と比べて約500〜600時間という大きな開きがあります。また、厚生労働省2014年度の「脳・心臓疾患と精神障害の労災補償状況」では、脳と心臓疾患に関する労災補償の支給決定件数306件中、道路貨物運送業が最多の94件というデータもあります。
 トラックドライバーの健康こそ、安全運転・事故防止に直結します。しかし定期健康診断の実施実態は厚生労働省の調査によると、8.4%のトラックドライバーが未受診となっています。脳・心臓疾患等の早期発見に向けた取り組みも重要ですが、まずは定期健康診断の完全実施と全員受診を徹底することが不可欠です。
 現在のトラックドライバー不足は深刻です。事実、トラックドライバー不足が原因で配送依頼を断るケースも発生しています。こうした事実を、多くの利用者はご存じないと思います。
 今の労働条件や就労環境がこのまま続けば近い将来、翌日配達や時間指定配達といった物流システムを維持することは不可能となるでしょう。物流の将来を考えるためには、物流の事業者や働く者に加え、利用されるすべての皆さんの知恵が必要です。私たち運輸労連は、物流の社会性を訴えるとともに、トラックドライバーの労働条件の改善に向けた取り組みを進め、魅力あるトラック運輸産業への転換を図っていきたいと思います。

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