
私たちのトラック運輸産業は、規制緩和が進み新規参入業者が増え、競争が激しくなってきています。社会や荷主のニーズに応えなくては生き残れませんが、安全を度外視したり、労働条件を切り下げての競争は避けなければなりません。労働組合としては、雇用問題を最優先に取り組み、運動の基本として考えていますし、「労働者の権利確保」に向けた運動を強めて行きます。
そのためには、会社の経営状況や荷主の動向を的確に把握する事が重要です。すなわち「労働組合の危機管理」です。とりわけ「会社の経営分析」は、私たちのくらしと命を守るためにも大切です。
経営者は、団体交渉において経営成績の悪いこと、将来の経営安定のために賃上げを牽制してきます。経営内容が本当に悪いのかどうか経営資料を入手して組合の立場から分析してみることが必要です。労働組合は、経営側の主張をそのままうのみにせず経営実態を分析して、如何なる反論にも答えられるよう理論武装しておくべきです。
何年も赤字が続いて過去の利益を取り崩してくると、現実の問題として賃上げは困難となり、経営危機から倒産へと進み雇用不安をきたすことになります。このような場合、経営分析(特に正常の時からの分析)がますます重要になってきます。まず、なぜ赤字が生まれたのかという赤字発生の原因を分析、究明することです。
●経営分析で必要な基本的視点
(1)“うちの会社の経営を他の会社より良くするためには”という企業埋没主義ではなく、あくまでも労働者の立場に立ち、企業の社会的責任と行動を明確にさせることです。
(2)経営を労働者的立場から監視し、経営の民主化を求め、放漫経営などによる合理化をはねのける武器とすることです。 |
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※「資料の入手方法」
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