【指名解雇】
Q 業績悪化がつづいて、会社がついに10名の整理解雇(指名解雇)を提案してきました。
A 整理解雇というのは労働者に落度が無いにもかかわらず、会社の業績悪化を理由に労働者を解雇することを言います。
このマニュアルの「U部の3」で詳述したとおり、整理解雇には、ア 整理解雇の必要性、イ 解雇回避努力義務、ウ 解雇基準の合理性、エ 組合や労働者との協議の4要件を満たすことが必要です。
組合としてはこの基準を念頭に置いて会社と協議して下さい。安易な解雇は許すべきではありません。
そして、組合として企業存続のために解雇がやむを得ないと考えた時は、人数を減らせないか、退職割増金を増やせないか等出来る限り好条件を引き出すよう努力すべきです。
【組合経由なしに直接本人へ解雇通
告】
Q 55歳以上のドライバーの解雇通告が組合に対する事前連絡なしに該当者に直接行われました。
A このケースは2つの大きな問題が有ります。第1の問題は組合と協議せず労働者に通
告したことです。判例は組合との誠実な協議を要求していますから、組合は会社に対し、組合の頭越しに行った解雇通
知は無効であることを厳重に申し入れ、会社が組合に対して協議を申し入れるところからやり直させるべきです。
第2の問題は55歳以上のドライバーという選別基準が合理的か否かという点です。日本は高齢者に冷たい社会であり、高齢者選別
は違法とは言えません。むしろ高齢者は給料が高いという点が狙われる理由でしょう。従って、仮に解雇の必要性が認められるとしたら、高齢者の賃金切下げで対処できないか、一旦退職した後、希望者をこれまでより低い賃金で再雇用できないかなどを工夫して下さい。
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