「関連会社への業務移管」

 不採算事業の採算改善に向けて、関連会社への業務移管・営業譲度・転籍提案が提示されました。

 (1)これも最近よくあるケースです。関連会社への業務移管(営業譲渡)にあたり、その部門で働いていた労働者の雇用が問題となります。
 労働者は一つの企業との間で労働契約しているわけですから、自分の担当している部門が関連会社といっても別 会社に譲渡されたときに自動的に別会社に移籍することはありません。
 別会社に転籍する場合は、当該労働者の同意が必要です。また従来の労働条件が別 会社にそのまま移行することは少ないはずです。別会社で従来の労働条件が維持されるか否か、新規の労働条件としても従来の労働条件のどこが改定されるのかなど労働組合としては現在の会社および別 会社ときちんと協議しなければなりません。
(2)また、従来の労働協約は原則として別会社に自動的に移行するわけではありません。組合と別 会社間で従来の労働協約を移行する旨の労働協約を結ぶ必要があります。
 ところで、別会社は従来の組合との間には労使関係が無いから団交はしない、労働協約は結ばないというかも知れません。そのような会社の方が多いかも知れません。組合としては別 会社に移る労働者も組合員であり、彼らが別会社に移れば別会社と労使関係ができるので労働組合と団交する義務が発生することを説明して下さい。別 会社に移ったあとの労働者も従来の組合に残って何も問題ありません。