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機関紙づくり vol.22

レイアウト編――その4

写真には向きがある
― 見出し・本文との相関関係

 

 写真には文章で言い表せない視覚的効果があります。例えば、悲惨な事故現場の状況や優勝の喜びの表情などはいくら名文で詳しく説明しようとも、一枚の写真におよばないことが多いはずです。写真にはまた、紙面を見やすく・読みやすくするだけでなく、紙面を引き立てる効果がありますので、紙面構成上のポイントとなります。
 機関紙には集会、レクリエーション、会議写真などのほか、リーダーや組合員の顔写真が掲載されますが、これらの写真をどのようなポジションに掲載するかが今回のテーマです。

人物はそっぽを向かない写真を

 写真には「右」「左」「正面」などの向きがあります。とくに人物写真の場合は、その向きが一目瞭然です。人物写真の扱いでもっとも大切なことは、そっぽを向かないようにすること。何に対するそっぽかというと、当該記事の見出しや本文です。例えば、記事の左端に写真が位置しているのに、写真に写っている人が左を向いていたら、記事と写真の一体感がうすれてしまいます。ですから、写真を撮影する際には、どのようなレイアウトにも対応できるように、必ず右向きも左向きも撮っておくことが大切です。
 大会記事の写真でよく見かけるのが、組織を代表して挨拶する委員長の顔写真が左向き、もしくは右向きのケースです。これでは、出席者や読者にそっぽを向いていると受け止められても仕方がありません。大会記事の場合は、正面をしっかり見据えて身振り・手振りを交えた写真を掲載したいものです。
 次に下図を見ながら写真の向きについて考えてみましょう。
 ①の場合、写真は右向きが適しています。②のように写真と見出しが離れている場合は、写真が見出しと向かい合うようなレイアウトがベスト。③の場合は、写真の方向性はあまり意識しなくてもいいでしょう。④は、左の記事との間に仕切りのあるケイ線があるので、楕円の写真が右の見出しのものであることは明白ですが、それでも右向きが適しています。⑤は、写真、見出しの順で並んでいます。この場合、写真は左向きに置くのが望ましいと言えます。

上下配置は右揃えが原則

 見出しと写真を上下に並べるレイアウトの例が⑥⑦です。手慣れた人なら意識しないでも処理できますが、「上下配置は右揃え」という原則があります。写真と見出しは右側で揃えましょう。
 ⑧は、見出しと写真がセンター(中央)に配置されているため、見出しと写真の間で「腹切り」を起こしています。その結果、レイアウトの禁手と言われる「両流れ」「飛越し」などが起こり、読者に混乱を与えかねません。したがって、⑧のような写真と見出しの配置は不適切と言わざるを得ません。前述のように、見出しと写真の配置は「右揃え」とすべきです。
 写真と見出しの上下配置は、記事が「上から下」「右から左」とスムーズに流れるように配置することが大切です。それが紙面の読みやすさにつながっていくのです。

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