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機関紙づくり vol.18
見出しの書体の処理
書体の使い方のルールを知る
新聞(機関紙含む)製作にはルールがある
新聞には製作上のルールがあり、それは発行者と読者の暗黙の了解事項とも言えます。例えば、タテ組みの場合は「記事はタテ」に読み、行は「右から左」へ移動する――そんな当たり前ではないかと感じることも、実はこのルールに基づいています。機関紙づくりにおいても発行者の立場から、読者にとって「読みやすい紙面」にするために、いくつかの製作上のルールを押さえておく必要があります。また、それらのルールには意味があることも知っておかなければなりません。
文字を書き表す「書体」の使い方にも製作上のルールがあります。まず、書体は大別すると、「明朝体系」と「ゴシック体系」に分類できます。この2つの書体を使う場合、ルールとして押さえておくべきポイントを挙げてみましょう。
読みやすい書体と見て分かりやすい書体
まず始めに書体の特徴として、16号で若干触れましたが、明朝体は「可読性の高い文字」、ゴシック体は「可視性の高い文字」ということを知っておきましょう。つまり「読みやすい書体」は明朝体、「見て分かりやすい書体」はゴシック体ということです。そのうえで新聞は「読む」ものとしての性格が強いため、メインとなる本文(記事)の書体は、基本的に明朝体が使われると理解することができます。
それでは、見出しの書体についてはどうでしょうか。「読む」ことが第一義の新聞では、やはり見出しも明朝体が基本です。しかし、新聞には「見せる」努力も欠かせません。そのため、要所にはゴシック体も使われ、明朝体とゴシック体という組み合わせもよく見られます。さらに、読者を引きつけるために、地紋を敷いてなお視覚的に注目度を高める方法もとられています。
実例として、日本の道路標識にはすべてゴシック体系の文字が使われています。これは、「読む」というよりも、「見て分かること」が必要とされるため、可視性の高いゴシック系の書体が使われています。
以上を書体の使い方の基本ルールとして心得ておきましょう。
機関紙を読んでもらうために
最近では、機関紙はパソコンの活用によって、多彩な紙面づくりが可能になりました。中にはプロも顔負けするような紙面も珍しくありません。しかし、書体の使い方の基本ルールを無視して、例えば見出しに多数の書体を使用した場合、紙面の印象は読みにくく、見にくいものとなり、効果的ではなくなってしまいます。それは「読む」「見せる」という観点で、効果的な書体の使い分けがされていないからです。機関紙を読んでもらうためには、このような部分にも配慮することが大切です。
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