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機関紙づくり vol.8

【実践編「見出しづくりのポイント」】

見出しは究極の要約記事
無駄な言葉を省き、簡潔・明瞭に

 

 機関紙を手にしたときに、まず目に入るのが見出し。大抵の読者は興味のある見出しを発見するとその記事に関心を持ちますが、そうでないとゴミ箱へ直行してしまうかもしれません。見出しは読者を引き込むという重要な役割を持っています。

見出しは「記事の顔」読者を惹きつける魅力が不可欠

 見出しは、記事の要点や重要度を表すだけでなく、より多くの読者に本文を読んでもらえるよう読者を惹きつける魅力が欠かせません。つまり瞬時に本文の内容が理解できること、同時に読者に訴求する情報力を持つ―という二点を備えていることが見出しには不可欠なのです。見出しが「記事の顔」といわれるゆえんです。
 見出しには、「柱見出し」「肩見出し」「主見出し」「袖見出し」があります(図参照)。ただ、最近の一般紙では、4つの見出しで構成された紙面が少なくなり、どちらかといえば、2つの見出しを組み合わせたパターンをよく見かけます。また、労働組合の機関紙はタブロイド判、B4判もしくはA4判といった判型が多いため、見出しスペースが制約されるので2つの見出しを組み合わせたものが一般的になっています。したがって、ここでは2つの見出しの組み合わせに絞って解説します。

「読む」よりもパッと見て「感じ」させること

 では、見出しを考える際、「読者を惹きつける魅力」を織り込むためには、どのようなことが必要でしょうか。
 一つ目のポイントは、W(What・Who・When)」よりも、How(どのようにして)やWhy(なぜ)をまず考えること。「いつ・どこで・何が」などのWの部分を見出しにすると、文字数が多くなり迫力に欠けてしまいます。
 二つ目のポイントは、見出しは「読む」というよりも、ぱっと見て「感じ」させ意味を理解してもらうこと。そのためには記事の大切な部分をできるだけ短く要約すること。短くすることによってメリハリが生まれ、それが読者を惹きつける魅力につながるのです。
 文字数を少なくすれば見出し文字を大きくすることができます。例えば20字の見出しを10字にすれば、文字量は半分、1字分の大きさは4倍になり、それだけ目立つことになります。見出しは目立つが勝ち、目立たなければ見出しではありません。

無難にまとめようとせず自由な発想で冒険も

 それでは具体的な見出しの付け方の手順です。まず記事を数回ほど読んで、この記事は何を伝えようとしているのか、つまり結論を把握すること。そのうえで、①ポイントになると思われるところを何本かメモ書きにする、②その中から不必要なものを削除し最低限必要なものを残す、③見出しの候補を選ぶ――という手順で進めます。そして、強調したいことと(※1)、省略できる言葉を(※2)見極めて、さらにできるだけ短く、ひと目で分かるような簡潔な表現にしていくのです。作成した見出しは、別の視点からも再考してみましょう(※3)。

 見出し作りの敵は「自粛」。無難にまとめようとせず、自由な発想でどんどん冒険することが大切です。



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