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機関紙づくり vol.7

【実践編「記事の書き方 その2」】

ニュースは「正確・明瞭・簡潔」に

 

 記事にもさまざまなジャンルがありますが、機関紙の中心はニュース記事です。組合活動を正しく、わかりやすく報告するために、まずはニュース記事の書き方を身につけましょう。

ニュース記事は結論が先

 ニュース記事を書く場合に効果的なのが「要点先述法」。これは、記事の冒頭で結論を最初に記述し、続いてそこに至る経過を重要な問題から順に記述していくという手法です。これは新聞本来の速報性と紙面上の制約から生まれた独特な文章形態です。
 この手法はまた、読者の関心と興味の度合いによって、読み進ませるように考えられた形です。この形式に沿って書けば強調したいことが前面に出ており、余分と思われるものは読むことが省略できる利点があります。下記の例を参照してください。

短く簡潔なほど記事はわかりやすい

 新米の新聞記者はまず「死亡記事」を書かされるといいます。文章に一切の無駄がなく、コンパクトに事実だけをまとめる死亡記事は、ニュース記事の典型です。
 無駄なくコンパクトにまとめられると、記事はわかりやすくなります。逆にいろいろ詰め込みすぎて記事が長くなるほど、読者にとって難解な文章になってしまうのです。
 そのためには、1つの記事は400字を目安にまとめるように心がけましょう。文字が多いと難解なばかりか、「何だか読むのが大変そう」と思われてしまい、読んでもらえません。

1つのセンテンスは長くとも60字以内を目標に

 センテンス(句点で終わる一文の長さ)も、できるだけ短く切りましょう。機関紙制作では、長くとも60字以内で「。」を打つことを目標にしてください。文章を上手に区切れないと、話がこんがらがったり重複したりして、何を言いたいのかわからなくなることがよくあります。
 一文が長くなってしまう原因の1つは、接続助詞の多用です。例えば、次の文章は好例です。

 昨日の集会ではAさんとBさんが熱く意見を主張し、議論は多いに白熱したが、二人の主張が食い違っており、2時間という長丁場を経たが、議論は平行線を辿ったままで、AさんもBさんも感情的になってしまい、最後まで結論は出なかった。

 この文章は接続助詞を省き、以下のように分割し、センテンスを短くすることができます。

 二人の2時間の長丁場を経ても議論は平行線を辿ったまま。AさんもBさんも感情的になってしまい、最後まで結論は出なかった。

 労働組合の機関紙は、たくさんの情報をきっちりと入れ込まなければならないケースがよくあります。「〜で」「〜だが」などが多用されている場合は、なるべく「。」に置き換えて文を分けてみてください。少しくらい不自然になってしまっても、思い切って区切ってしまった方が、読者に対しては親切なのです。

定期大会の報告記事の場合

▼従来の記述

 10月15日、第5回定期大会が開催され、△△中央執行委員長など新役員5名が就任した。△△委員長は前期に続き2期目。「非正規社員の組織化を実現したい」と抱負を述べた。増加する非正規社員の処遇改善は重要課題のひとつであり、今期の運動方針にも盛り込まれている。

▼言いたいことは先に!ニュースに特化した要点先述法

 増加する非正規社員の処遇改善は労組の重要課題のひとつであり、今期の運動方針にも盛り込まれている。10月15日に開催された第5回定期大会では、△△中央執行委員長が「非正規社員の組織化を実現したい」と抱負を述べた。大会では新役員5名が就任し、前期に続き2期目となる△△中央執行委員長など新役員5名が就任した。

 

▼要点先述法は新聞向き

  • もっとも重要なことが早くわかる
  • 関心がある人だけ、読み進めることができる
  • 結論以外は不要な場合、読み飛ばせる
  • 文字数を調整する場合に、後半部分で可能

 

コラム
記事作成「7つの心得」①重要な記事を除いては400字程度、②センテンスは長くとも60字以内を目標に、③段落は10行以内、④接続助詞(「〜で」「〜だが」)を多用しない、⑤接続詞「また」「そして」「さらに」「しかし」を多用しない、⑥難しい言葉、漢字を使わない、⑦「です・ます」と「だ・である」を混用しない

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