情報

機関紙づくり vol.6

【実践編「記事の書き方 その1」】

わかりやすいのが、良い記事

 

 機関紙の記事には、立派な文章も、格好良い文章も必要ありません。大事なのは情報を共有すること。組合員にわかりやすく、読みやすい記事作成のコツを身に付けましょう。

記事作成は5W1Hで正確な情報を

 機関紙の記事を書くとき、何よりも大切なのは「わかりやすさ」です。機関紙の目的は情報共有ですから、読者が理解できる内容であることが最優先されるのです。
 読者がスッと理解できる記事作成の基本は、「5W1H」を満たすこと。簡単なレポートであれば、最低限必要なこの6つの情報を並べるだけで書くことができます。
 伝えるべき情報を漏らさず書くことが記事作成の第一歩。機関紙に求められる文章力とは、必要な情報を、よりわかりやすく整理する力だといえるでしょう。

「5W1H」
1.When=いつ(11月11日)
2.Where=どこで(労連会館)
3.Who=誰が (当組合広報担当者3名)
4.What=何を (運輸労連中央本部主催の広報セミナー)
5.Why=なぜ (文章力アップを図るため)
6.How=どのように (ワークショップを通じて)
「5W1H」を満たした文章例
 11月11日、労連会館で運輸労連中央本部主催の広報セミナーが開催され、当組合からは広報担当者3名が参加した。セミナーは文章力アップを図るためで、参加者はワークショップを通じてニュース記事の書き方などを学んだ。

WhyとHowが記事に深みを出す

 わかりやすい記事を書けるようになったら、関心を持ってもらうことが次のステップです。実は、出来事の結果だけなら、「5W1H」のうち4つのW(When、Where、Who、What)だけでも十分に伝えられますが、それだけでは無味乾燥の記事になってしまいます。その記事が面白いかどうか、読者が興味をそそるかどうかは、「Why」と「How」にかかっているといっても過言ではありません。
 難しいのは、「なぜ=理由・背景・目的」の説明と、「どのように=手段・経過・情景」などの描写です。これはレトリック(巧言)も必要だし、面白く書くことが要求されるものです。例えば、

 組合は○月○○日、会議室で組合員80名の参加の下、2014年春闘の総括会議を開催した。

 この文章は4つのWだけで書かれています。2014年春闘の総括会議が開催されたことは伝わりますが、これだけでは興味が湧きません。そこで、「なぜ=○年ぶりのベースアップ要求を掲げ組合員と一体となって闘ったため」「どのように=@要求および労使交渉の状況、A妥結の結果、B春闘の反省点と来春闘に向けた検討課題」といった情報が加わると、読者はグッと興味を引かれます。つまり記事に深みや奥行きを与えているのは、「Why」「How」なのです。

4つのWに「Why」「How」をプラスした文章例
 組合は○月○日、会議室で2014年春闘の総括会議を開催した。会議には委員長をはじめ8名の組合役員、さらに80名の組合員が出席。○年ぶりにベースアップ要求を掲げて闘った2014年に関して、@要求および労使交渉の状況、A妥結の結果、B春闘の反省点と来春闘に向けた検討課題――などについて議論が交わされた。会議は、○年ぶりのベースアップ要求の実現に向けて全組合員が一体となって闘ったことをふまえ、要求のあり方や交渉状況の伝え方などで率直な意見交換が行われたことが特徴であった。

 記事は4つのW(When、Where、Who、What)だけではなく、「Why」と「How」の情報をしっかりと集めて、読者から関心を持たれる記事を書きましょう。

コラム
記事の行数を調整する場合や見出しをつける場合も「Why」と「How」の部分がポイント 「5W1H」を満たし記事を作成したものの、紙面スペースやレイアウトの関係上、文章量を増やしたり減らしたりする必要が出てくるのも機関紙づくりにおいてはよくあることです。
 また、見出しをつける場合に記事のどの部分に焦点をあてればインパクトがあり、読む気にさせることができるのでしょうか?
 いずれの場合も、「Why」と「How」の部分がポイントになります。


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