情報

機関紙づくり vol.5

【実践編「情報収集・取材」】

記事の成否は取材次第、適切かつ正確な情報を
徹底して集める

 

 記事を書く前に、まず必要なことは情報を集めること、すなわち取材です。記事の成否は、取材で適切かつ正確な情報が集められるかにかかっているといっても過言ではありません。取材方法と取材の基本を把握しておきましょう。

インタビューから資料収集まで幅広い取材方法が

 取材といえば、カメラを担いだ記者が懸命にメモをとるシーンが浮かんできますが、これは数多くある取材方法のひとつに過ぎません。取材とは記事を書く材料(ネタ)を集めることを指しますが、機関紙の場合に考えられる取材として以下のような方法があります。
①インタビュー取材
(直接会って質問に答えてもらう、意見を求める、考えを聞く)
②会議や集会取材(提案や議論を通じて方針や決議をどう決定したのか、参加者や会場の雰囲気なども)
③現場や現地取材(職場訪問、事故現場、レクリエーションなどのイベント)
④資料収集(事例や資料を集め、現象を裏付けるデータ収集)
⑤写真撮影取材(写真で伝えるイベントやアトラクション)
 以上の取材方法のうち、いくつかは多くの機関紙担当者が経験しているはずです。さらに、職場の仲間に聞くことも取材の一つにあげられることも忘れないでください。

記事は足で書き具体的事実の収集にこだわる

 取材で大切なことは、具体的な事実を集めること。具体的な事実(情報)が記述されていない記事には、感動や新たな発見がなく、読者に訴える力が失われています。
 下記の記事は、レクリエーション(お花見)の報告記事ですが、「頭(机上)で書いた記事」と「取材をして書いた記事」の例です。

【頭で書いた記事の例】
 春のレクリエーション・お花見会が4月5日、○○公園で開催され、組合員・家族など45人が参加。宴会は満開となった桜を眺めながら大いに盛り上がり、楽しい一日となった。

【取材をして書いた記事の例】
 春のレクリエーション・お花見会が4月5日、○○公園で開催され、組合員・家族など45人が参加。この日は一日中好天に恵まれ、しかも桜の花が満開となり、絶好のお花見日和となった。参加者は缶ビールやジュースを片手に、夫の職場での仕事ぶりや家での良きお父さんぶりなどを肴に歓談は大いに盛り上がり、勢い余って手拍子で歌いだす人も。宴会は5時間にもおよび、ほろ酔い気分で家族と連れ添ってそれぞれ帰路についた。

 前者は、取材が十分でないことが読み取れる適例ともいえます。つまり「どのように盛り上がったのか」という情景描写がないこと、もう一つは「楽しい一日となった」とは具体的に何を指すのかです。この二つの情報が欠落しているために、感動や発見が見当たらず、単なる報告記事に終始しています。
 これに対し後者は、どのように盛り上がったのかがより具体的に記述され、お花見会の様子がよりリアルに描かれています。
 「記事は足で書く」という言い伝えがありますが、取材の必要性は、ここにあるのです。

取材にあたっては事前に目的・目標を把握する

 取材で大切なことをもう一つ。取材の目的・目標を事前にしっかり把握しておくことです。例えば、委員長に春闘構想についてインタビューする場合、「何を」「どのように」「何のために」聞くのかという事前の準備、そのうえで「読者(組合員)は何を知りたがっている」をおさえインタビューに臨むという姿勢が不可欠です。「出たとこ勝負」というインタビューでは、十分な考えを引き出すことは不可能です。
 取材とは、ある意味で目や耳などの人間の五感に加え、足と手と頭をフルに使う行動と言い換えられます。

コラム
インタビュー取材の心得 ❶ 事前に質問項目を整理する。
 ❷ 話すより聞くこと。
 ❸ 話をしやすいように、具体的に質問する。
 ❹ 5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、どのように)を聞き落とさないようにする。
 ❺ 固有名詞と数字(団体・個人名・賃金・仕事量・日付など)は必ず確認しメモする。
 ❻ 相手の口調、表情、容姿、くせ、服装などにも注意しておく。

 

 

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