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機関紙づくり vol.2

「仲間を巻き込む」「三役が先頭に立つ」。
そしてもう一つは「やる気」

 

 機関紙編集の一連の作業には、①記事、②レイアウト、③編集、④印刷、⑤組合員への配布などがあります。「これはとても独りじゃできないよ!」と立ちすくんでしまう人も少なくありません。こんな時、どうすればいいのか。名案は一つ、仲間の力を借りること。勇気をもってあなたの周りにいる仲間を巻き込めば事態は大きく変わるはずです。

独りですべてをやろうとせず仲間の力を借りよう

 次の文章は、昨年12月号の本誌「加盟組合の紹介」のコーナーに掲載された石川トナミ運輸労組の機関紙活動の一端で、委員長が奥さんの協力を得ながら奮闘している様子を伝えています。
 「組合員の組合活動に対する関心の薄さも問題です。<中略>その意味で広報の重要性は強く認識しており、お知らせ文書は随時発行。また6月から不定期ですが、機関紙も発行しています。妻からパソコンを教わり、執行委員会の内容や業界の話題などの記事を掲載していきたいと思います」
 この事例のユニークなところは、自分のパソコンスキルが不十分なので奥さんのスキルを巻き込んで機関紙発行に努めようとしているところです。もちろん奥さんを「仲間」と言い換えることも可能です。つまり独りで何もかもしようとするのではなく、仲間の力を借りるということの大切さを教えてくれています。

「若い衆、頼んだよ」ではなく、三役が先頭に立つことから

 機関紙は、組合の情報発信を通じて、@執行部と組合員のコミュニケーションの実現、A組合員の団結と連帯を図るツール――といった役割があります。また機関紙は、労働組合が生き生きと活動していくために欠かせないものといわれています。
 そして、機関紙の定期発行を維持するためにも、機関紙づくりの担当者を独りに任せるのではなく、執行部全員が何らかの形で協力していくことは欠かせません。特に機関紙編集作業は、取材から紙面編集まで多岐にわたり、独りの力ですべてをこなすことはなかなか難しく、とくに新人の担当者にはそれらの作業がプレッシャーになっています。
 そこで大切なことは、三役が先頭に立つ――ということです。
 T労組は2013年、産別組織の機関紙コンクールで優秀賞を受賞した支部です。不定期発行がやっとという支部でなぜ優秀賞まで辿りついたのでしょうか。支部の教宣部長は、こう語っています。「私たちが機関紙の編集や印刷をしている間、三役はずっと一緒にそばにいるのです。何も手伝いませんが、雑談をしながら皆がいる間は帰りません。これがずいぶん励みになりました」
 機関紙は教宣部任せ、「若い衆、頼んだよ」という姿勢からは、いい機関紙は生まれません。T労組の例は、そのことを教えています。機関紙を発行するうえで欠かせないことは「仲間の力を巻き込むこと」「三役が先頭に立つこと」。そしてもう一つは、機関紙づくりの担当者の「やる気」です。

コラム
技術指導の前に、まず執行部の「やる気」が肝心 機関紙が出せない理由として、「仕事が忙しい」「人手が足りない」「記事がない」などがよくあげられます。とかく組織活動が弱いところほど教宣活動が軽視されがちです。機関紙活動は組織活動そのものです。これは単に情報を伝達するだけが目的ではなく、機関紙の作成・配布を通じて「組合員の組合活動への参加」「次代を担う役員の育成」など、極めて組織強化に関わる課題といえます。職場ニュースづくりのポイントやレイアウトなどの技術指導を何百回したとしても、執行部が機関紙発行を本気で考えなければまったく無駄です。まずは執行部が「やる気」を出すかどうかです。

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