デジタコは1998年に初めて国内で型式指定され、その後、IT技術の進歩などにより、2005年に新たなデジタコの技術基準が制定されている。現在、車載器メーカーやトラックメーカーなどから製造・販売されている型式指定を受けたデジタコは、安全性の向上やエコドライブ効果などの観点から順調に普及しているといわれている。本調査においても、デジタコを3年以上使用しているドライバーが4割以上を占め、対前回調査比で15.7ポイント増加していることから普及状況が見てとれる。
デジタコが普及し、ドライバーの使用期間が延びていくなか、前回調査でも課題としてあげられた「ドライバー教育」については、対前回調査比で1〜3ポイント程度の増加に留まっており、今後、事業者によるデジタコ導入時などの各種説明が一層望まれるところである。
デジタコ本体や事務所のパソコンの操作についてみると、7割程度のドライバーが1ヵ月以内で慣れている。しかし、「アナウンスがうるさい」「デジタコの操作が面倒」および「慣れるまで疲れた」などの意見が多く挙げられており、対前回調査比でも大きな違いが見られないことから、これらの項目はデジタコに係る特有の問題としてとらえることができる。ドライバー負荷の軽減化のため、事業者によるデジタコ導入の趣旨・操作説明がドライバーに対して確実に実施されることはもちろんのこと、デジタコメーカーもより簡便な操作で動作する機器の開発が望まれるところである。
デジタコは、導入初期の段階においてドライバーにある一定の負荷を与えるものの、装着により多くの効果を発揮することが明らかとなっている。とくに、前回調査で5割以上のドライバーが効果を感じていた「速度の抑制」および「アイドリングストップ」については今回調査も5割を超え、さらに「急加速の抑制」についても前回調査比で3.8ポイント増加し、5割以上を超える結果となっている。また、一般的にいわれている「自分の運転状況の把握」「急減速の抑制」および「エンジン過回転の抑制」についても4〜5割程度のドライバーが効果を感じ、対前回調査比でも3〜5ポイント増加していることから、デジタコ機能の効果が継続して向上していることがうかがえる。さらに、前回調査で課題のひとつとしてあげられた「無理な運行の削減」に関する効果を感じているドライバーも前回調査比で4.7ポイント増加している。
燃費については「向上した」および「やや向上した」を含めると全体の70%強を占め、前回調査比でも2.2ポイント増加していることから、エコドライブにかかわるデジタコ機能の効果が継続して向上していることが伺える。
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