活動報告
第56回運輸セミナーを開催(2025年12月8日)
賃上げ要求1万7,300円(6.5%)中心 2026春闘基本構想を中央執行委員会で決定
長時間労働に頼らない賃金制度へ 他業界との格差是正で若者・女性に選ばれる産業へ変革
運輸労連は12月8日(月)、第56回運輸セミナーを開催(全日通霞が関ビルからオンライン配信)、全国から218名(うち女性16名、女性参加率7.3%)が参加して、2026春季生活闘争に向けての情報と認識を共有しました。
開会のあいさつには、成田中央執行委員長が登壇。冒頭、2025年は地震、大雨、猛暑など例年を上回る自然災害に加え、一部地域ではクマによる被害も発生したことに触れ、被害に見舞われた方々に哀悼の意を表しました。
はじめに、運輸業界を取り巻く情勢として、第217回通常国会においてトラック適正化二法が成立(2025年6月4日)したことを報告。事業法の目的の中に「労働環境の適切な整備に留意しつつ」の文言が明記されたことを最重要ポイントとして強調しました。さらに法改正の重要点として、①事業許可の更新制、②適正原価の導入、③再委託の制限、④白トラ対策の強化の4点を挙げました。
また、「これまで『物流クライシス』『物流の2024年問題』として、消費者に行動変容を求めてきました。しかし改善が進まなければ2030年度には輸送能力が約34%不足するとされています。そのため今後は『2030年問題』として、社会全体で取り組みを一層強化していく必要がある」と述べました。
次に、ガソリン揮発油税・軽油引取税の暫定税率廃止が今臨時国会で成立(11月28日)したことを報告しました。とくに1976年から約50年続いた暫定措置に終止符が打たれた軽油引取税については「歴史的な意味合いがあり、持続可能な物流システムの構築に向けた前進の起点となる」と述べました。ただ、今回の廃止は、「物価高対策」としての意味合いが強いものの、物流コストについては「軽油引取税の廃止によって大幅に下がるわけではない」とし、「物流の効率化、適正な取引、消費者の行動変容が進むことで実現していくものであると、組織内外に訴えていきたい」と力を込めました。
そして、現下の社会情勢を踏まえた2026春季生活闘争方針(案)では、「一昨年、昨年を超える要求額」とする運輸労連としての考え方を12月3日開催した第5回中央執行委員会において確認しました。統一要求額については、ベースとなる賃金に定期昇給(相当)分1.5%と、賃金改善分(含:格差是正分・物価上昇分)5%を加えた6.5%を乗じ、「1万7,300円中心」とする2026春季生活闘争基本構想を示しました。物流に対する社会全体での認知度が高まりつつある中、「他産業との格差是正に結びつけ、長時間労働に頼らない賃金制度の確立・改善で若者や女性に選ばれる産業へ変革していきたい」と強調しました。
2026年の十干十二支〈じっかんじゅうにし〉は、新しい挑戦や成長の機会が多い年になるといわれる丙午(ひのえうま)。「物流改革、働き方改革を確かなものとしていく大変重要な年になる」として、「中央本部、地連・都府県連、加盟組合の仲間の皆さんとともに、ベクトルを同じくして運動を進めて行きましょう」とあいさつを締め括りました。
その後セミナーの第1講演は、日本労働組合総連合会総合政策推進局・総合局長の仁平章氏による「連合2026春季生活闘争方針」について。仁平氏は、2026年春闘の基本スタンスとして、①日本全体の実質賃金のプラス化と持続的な賃上げの定着、②格差是正、③労働組合の集団的労使関係の拡大の3点を挙げました。
続く第2講演は、国土交通省 物流・自動車局貨物流通事業課課長補佐の平田伸一氏による「トラック適正化二法による業界の発展に向けて」について。講演では、①働き方改革の現状、②価格転嫁・賃上げの状況、③トラック適正化二法のポイント、④標準的運賃の実態調査結果の4つのテーマで解説していただきました。以上の2つの講演をもって、第56回運輸セミナーは終了しました。
写真一覧

中央執行委員長
成田 幸隆

日本労働組合総連合会総合政策推進局 総合局長
仁平 章 氏

国土交通省
物流・自動車局貨物流通事業課
課長補佐
平田 伸一 氏