車の死角が招く危険



(月刊運輸労連より)

企業開発センター 交通問題研究室


●トラックの死角は思った以上に大きい

 トラックは前方の運転視界が広く、周囲が見えやすいことから、「死角が少ない」と勘違いしているドライバーもいるようです。しかし、図を見てもわかるように、トラックにはピラーや荷台、車体前方に大きな死角が存在します。  
 とくに、荷台が平ボディでなく箱形の場合、後方は目視ではまったく見えません。そのため急ブレーキを踏んで後続車などに追突される事故も多く発生しています。  
 また、普段意識しないようなピラーの死角も意外に大きく、二輪車などは簡単に隠れてしまいます。2007年、S社がフロントピラーを約3割細くし、視認性を向上させたトラックを導入し話題となったことを記憶されている方も多いと思います。  
 このような死角の見落としを防ぐには、ドライバーはトラックにどのような死角があるかを理解し、死角部分を確認する習慣をつけることです。

●右左折時は直進状態で後方確認をする  
 右左折するとき、ミラーで後方を確認し、「何も映っていないから危険はないだろう」と思ってハンドルを切ったところ後続二輪車などと衝突する事故が発生しています。安全確認不足が大きな要因の一つですが、なかにはトラックが左右にふくらんだとき、つまり、道路に対して車体が斜めになったとき後方確認を行ったためにミラーに二輪車が映らないことから、漫然と右左折をして二輪車を見落とすこともあります。右左折するときは、安全確認を徹底するとともに必ず直進状態で後方確認を行ってください。なお、後方確認は一度で済ませるのではなく、数回行うようにしてください。  
 また、トラックは左折時の巻き込み事故を防止するため、助手席のドア部分に小窓が設けられています。しかし、ドライバーのなかには、この小窓部分に荷物を置いて、わざわざ死角を作ってしまう人もいます。これでは左側方の二輪車を確認することができません(写真)。小窓部分に物を置がないようにしてください。

●ミラーの調整は普段の運転姿勢で  
 運転前、ミラーの調整をする場合、左側は手が届かないので身を乗り出したり、車外で行ったりしているのではないでしょうか。そして、長年の感覚で、「こんなものだろう」と納得して済ませていることがあるかもしれません。しかし、このような調整では、いざミラーを見たときに正しく後方を映していないこともあります。ミラーを調整した後は、運転席に普段の運転姿勢で座り、最後にもう一度後方が正しく映っているかを確認する習慣をつけてください。

 ●バックアイカメラを過信しない  
 最近は、荷台の死角をなくすためにバックアイカメラを取り付けたトラックを見かけるようになりました。  
 ただし、バックアイカメラもすべてを映し出してくれるわけではありません。モニターになにも映っていないから安全だろうと安易にバックすると後方を横切る自転車などと衝突する危険があります。バックアイカメラを過信することなく、必ず目視で後方左右に危険はないかを確認する習慣をつけるようにしてください。