運輸労連は、「トラックの安全を守る全国行動」の一環として、92年から「違法駐車状況実態調査」を実施してきた。
 99年から、この取り組みを交運労協に継承し、より広範な運動に発展するよう働きかけることとした。
 以下に、交運労協の総括を掲載したので、今後の活動の参考として活用されたい。

 



 交運労協は3月3日、各地方交運労協及び県交運労協の協力を得ながら、トラック部会を中心に全国一斉に違法駐車状況実態調査を行った。
  交運労協の取り組みは、今回で4回目(運輸労連と通算すると9回目)を迎えたが、実態調査活動に参加した組合員は936名で過去最高となり、沖縄県を除く46都道府県の66都市の322地点で調査した。
 今回の調査での特徴は、昨年の調査地点より8箇所少なくなったにもかかわらず、違法駐車車両数が7,890台も増えたことである。その内訳は営業用・自家用トラックはさいわい減少しているにもかかわらず、自家用乗用車の割合がいっそう高くなったことだ。なぜ、短期間にこんなに増えたのかそれぞれの地点での検証が必要となっている。
この調査の目的は、いうまでもなく都市部の主要道路における違法駐車の実態調査を行い。その結果に基づいて自治体等に対して駐車場設備の対策や「違法駐車防止条例」を制定させるなど、中央・地方における交通環境改善にむけた運動に資するために実施している。
 違法駐車問題については政府も「総合物流施策大綱」等で、違法駐車に起因する交通渋滞を解消し、道路交通の円滑化によって都市内物流の効率化を図るために、駐車場の設備や駐車対策の各種システムの整備、さらに「違法駐車条例」の制定等を積極的に促進していくことを明らかにしている。しかし、参考資料として添付した附置義務条例適用地区面積は拡大しているのにもかかわらず、違法駐車防止条例、附置義務条例制定はここ数年大きな進展はなくむしろこう着状態にある。
 調査員からの問題の指摘と感想も若干収録されているが、違法駐車の形態は各地とも多様で画一的でない。それ故に各地の客観的な条件に沿った個別的な対策が要請されている。違法駐車状況の実態調査の結果を分析するとともに、「違法駐車条例」や「附置義務条例」が前進するよう関係箇所に対する積極的な取り組みを要請したい。中央においても、これからの結果を踏まえ、引き続き建設省、警察庁、運輸省、自治省等に対して具体的対策の確立にむけて取り組みを強化する。
  最後に、実態調査ならびに結果の集計にあたって、今年もまた運輸労連産業制策部に全面的なご協力をいただいたことに紙面をお借りしてお礼を申し上げます。

以 上