2001年6月度実績を対象とした加盟組合・組合員の賃金・労働条件に関する実態調査の結果 がまとまりました。今回の調査は例年通りの賃金、定年制と継続雇用制度、退職金、休日・労働時間、労災補償等の実態と、企業内最賃協定を加えて行いました。
  調査には220組合のご協力をいただきました。そのうち賃金項目に関する有効集約数は145組合、対象組合員数は93,764人(前年度98,314人)でした。集約組合を規模別 でみると、大規模(1,000人以上)が11組合で対象者数は73,552人、中堅規模(300〜999人)は16組合で9,818人、中小規模(299人以下)が118組合で10,394人となっています。このうち188人の運転者を含む女性労働者の合計は5,000人で総数の5.33%でした。また、賃金項目以外の労働条件についての有効集約組合は220組合です。
  5%を超える高失業率が続く中で、デフレ状況は依然として解消の兆しが見えず、さらには、アメリカにおける景気後退やテロ事件などの国際的影響もあって、わが国の経済情勢と景気動向は一段と厳しさが増しています。トラック運輸産業においても、低水準で推移する運賃・料金や物量 減などから、産業・企業の経営悪化と先行き不安が強まっています。
  この冊子は集約結果の概要をまとめたものです。全体の加重平均をみる限りにおいては、特徴的な変化はみられませんが、個々に前年と比較したとき、企業業績の差が賃金の引き上げや一時金などの人件費に少なからず影響を及ぼし、二極化ないし三極化の様相が強まってきています。特に、業績配分を一時金にシフトする動きから、その傾向が顕著であり、個別 による年収ベース比較では、産業内格差はもちろんですが、産業間格差においても拡大している傾向があらわれています。
  いずれにしても総論的には、私たちトラック運輸労働者は、他産業労働者より長時間働きながら、賃金や一時金、退職金などは他産業水準よりかなり低位 におかれているといえます。
  このような労働条件を改善させ、働く者の雇用の安定、生活向上をはかるのが労働組合の役割であり、春闘はそのための運動(手段)の一つでもあります。来るべき2002年春季生活闘争の取組みにあたり本資料を参考にしていただければ幸いです。終わりにあたりまして、多忙のなか本資料の作成にご協力いただきました、単組及び地連・都府県連の皆さんにお礼申し上げ報告とします。

全日本運輸産業労働組合連合会
労働政策部長 桜木 隆