運輸労連第56回定期大会 7月5日〜6日 北海道・札幌市で開催

2023〜2024年度運動方針を決定
持続可能な運輸産業を構築していこう!

 運輸労連は7月5日(水)〜6日(木)の2日間、北海道札幌市・ロイトン札幌において「第56回定期大会」を開催。代議員・オブザーバー(WEB傍聴)ほか、375名が参加しました(うち女性28名、女性参加率7.46%)。
 大会は、司会の重村中央副執行委員長による開会宣言と、難波中央執行委員長の主催者あいさつ(下記参照)でスタート。会場には連合・芳野会長をはじめ、立憲民主党・泉代表、運輸労連政策推進議員懇談会会長・海江田衆議院副議長、中村北海道知事室長、秋元札幌市長、交運労協・住野議長、北海道地連政策推進議員懇談会・梶谷会長、全国労働金庫協会・松迫副理事長、こくみん共済coop<全労済>・田邊組織推進部長ほか、多くの来賓にご臨席を賜りました。
 来賓あいさつで連合・芳野会長は、「2023春季生活闘争では労使が中期的視点を持って粘り強く交渉した結果であり、『未来につながる転換点』となり得るものと受け止めています、しかし、コロナ禍からの業績回復が十分でない産業もあります。運輸労連も過当競争などで厳しい状況が続いていると思いますが、何とか賃上げを来年以降にもつなげていくことが重要です。ジェンダー平等と多様性の推進も合わせて、ともに頑張りましょう」と連帯のあいさつを述べました。また、立憲民主党・泉代表からは、「我々と皆様とは、選挙時のみの関係ではなく、日々の暮らしを良くするために連携していかなければなりません。長時間労働や過労死の問題を解決し、皆様が安心して働くことができるよう、先頭に立って取り組むことを約束します。立憲民主党を応援してよかったと思ってもらえるよう、労働者の側に立ち、政策を進めてまいります」と力強いメッセージをいただきました。
 大会議事では、報告・承認事項として「2022年度一般経過報告」と「2022年度決算報告・会計監査報告」を承認。続いて第1号議案「2023〜2024年度運動方針」、第2号議案「2023年度一般会計予算ならびに特別会計」、第3号議案「役員選出」を提案。運動方針案などに対して12名の代議員から質疑・要望があり、1日目の議事は終了しました。
 大会2日目は、前日の一般経過報告と運動方針案に関する質疑・要望に対し各担当役員が答弁。再度の質疑・答弁を経て「2022年度一般経過報告」を承認し、第1号議案「2023〜2024年度運動方針」と第2号議案「2023年度一般会計予算ならびに特別会計」をそれぞれ満場一致で可決しました。
 第3号議案「役員選出」では、難波中央執行委員長が退任。成田中央副執行委員長が中央執行委員長に選出され、新執行部を代表してのあいさつ(下記参照)が述べられました。その後、スローガンを採択し、成田新中央執行委員長の発声で「団結ガンバロー三唱」を行い、第56回定期大会は終了しました。


<スローガン>
産業間格差を是正し、持続可能な運輸産業を構築しよう!
―価格転嫁の実現で賃金労働条件を改善し、魅力ある産業の確立を―



委員長あいさつ(要旨)


中央執行委員長
難波淳介

魅力ある産業へ向けてアップデートしていこう!

 5月の「令和5年奥能登地震」をはじめとして、全国各地で自然災害が多発しています。被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。東日本大震災の発生から12年4ヵ月が経過しようとしていますが、約3万人の方が今でも避難生活を余儀なくされています。私たちは引き続き、東日本大震災を風化させない運動に取り組むとともに、防災・減災の意識を高めていかなければなりません。一方で、異常気象時におけるトラック輸送の安全目安が定められてから3年が経過する中、輸送を強要される事例も散見されます。荷主勧告制度等も視野に、輸送と仲間の安全確保の徹底を図っていきましょう。
 トラックを取り巻く状況としては、経済活動の回復とともに貨物輸送量が堅調に推移しているものの、燃料価格の高止まりが経営を圧迫しています。コロナ禍からの業績回復は大規模事業者が中心で、中小規模事業者は厳しい状況が続いています。しかし、物流の「2024問題」解決に向けて、政府の動きが活発化しているのも事実です。改正貨物自動車運送事業法(2018年)で時限立法として成立した「標準的な運賃」と「荷主対策の深度化」は、「当分の間」の延長が決定しました。この流れを2024年以降の春季生活闘争にもつなげていかなければなりません。
 2023春季生活闘争を振り返ると、すべての組合規模で最大限の解決が続いています。一方で、他産業との解決金額の差は例年以上に大きく、産業間格差の拡大が懸念されます。そこで私たちは、荷主企業に向けて事業継続のパートナーであることの理解を求め、運賃・料金改定交渉等を続けていかなければならないと考えます。2024年を、組織の壁を越えて行動を起こす起点の年にしていきましょう。
 最後に、私たちは今、多様な生き方・働き方が選択できる環境を作り出すことが求められています。その実現に向け、運動方針には、すべての運動に「ジェンダー平等」の視点を据えています。この新たな視点による職場の改革をめざし、すべての仲間が活躍できる世界に向けて、歩みを進めていきましょう。運輸労連の仲間と出会えたことは奇跡です。その仲間たちとともに組織の行動をアップデートし、魅力溢れる産業へと上書きしていきましょう。



新委員長あいさつ(要旨)


新中央執行委員長
成田幸隆

何よりも人を大切にしながら、改革に挑戦してまいります

 物流の賃金・労働実態に光があたり、「荷物が運べなくなるかもしれない」という現状がようやく社会に認知されはじめました。これからの取り組みが重要です。私たち労働組合も、あらゆる機会を通じてしっかりと現状を説明し、荷主や利用者に理解していただく努力が必要だと思います。ただ、伝えることは難しいことです。一方的に伝えるのではなく、相手にしっかり「伝わる」運動に取り組んでいきたいと考えます。
 そして、何よりも人を大切にしながら、誰もが活き活きと働ける職場にしていきたいと思っています。変化のスピードが速いこの時代、立ち止まっていることが何よりのリスクとも言われます。私たちも的確に変化をとらえ、改革に挑戦していかなければなりません。運輸労連は伝統のある組合です。先輩の伝統を継承しながら、不易流行(伝統の中に、変化を取り入れていく)で、課題の解決に取り組んでまいります。仲間と汗をかき、知恵を出し合い、熱い労働運動に取り組んでいきましょう。

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