運輸労連議員懇メンバーの森屋隆参議院議員が
「高速道路の深夜割引見直し」「高速道路走行時の制限速度」「高速道路料金の適正収受」に
ついて質疑


2023年4月25日(火) 参議院国土交通委員会

 4月25日(火)参議院国土交通委員会において、運輸労連政策推進議員懇談会メンバーの森屋隆参議院議員(比例)より、「高速道路の深夜割引見直し」「高速道路走行時の制限速度」「高速道路料金の適正収受」に関する質疑が行われました。

森屋隆参議院議員:高速道路の深夜割引について、利用するトラックが深夜割引の適用時間まで高速道路の手前で待機し、渋滞が発生している問題がある。今年1月に割引適用時間が22時〜5時への見直しが公表されたが、高速道路の走行時間帯のみが割引適用となることによって、休憩や休息を取らずに走り続けてしまうドライバーが増え、労働強化につながることを危惧している。国交省の見解をお聞きしたい。

丹羽克彦道路局長:深夜割引をできるだけ多く享受するため、休憩を取らずに走行することなどに伴う労働環境の悪化、また速度超過の助長などを懸念する意見があることは承知している。このような懸念に対し、現在NEXCOにて、深夜割引の対象となる距離に上限を設定するなど、安全に高速道路を利用いただけるよう、具体的な制度について検討を進めている。国土交通省としても、NEXCOとともに深夜割引の適切な運用を含め、トラック運転者等の労働環境の改善について、関係者のご意見を踏まえ取り組みたいと考えている。

森屋隆参議院議員:トラックにおける高速道路走行時の制限速度を80q/hから100q/hに上げるべきという意見が他方から出ているが、重大事故につながる懸念があることから、労働者や業界の意見を踏まえ慎重に対応すべきである。また、走行速度を上げた分早く目的地に着くため、更なる労働を強いられる場合が想定され、結果として労働時間の短縮にはならないことを懸念している。加えて、高速道路料金について、荷主が負担している所もあるが、中小企業の運送会社では、ドライバーが負担している例もある。このような実態を把握されているか。また、高速道路料金は荷主か事業者のどちらが負担すべきか考え方を示していただきたい。

堀内丈太郎自動車局長:トラック運送業は、コストに見合った適正な運賃・料金の収受ができておらず、高速道路料金も含めた適正な運賃・料金を収受できる環境を整備することが重要と考えている。高速道路料金収受の実態として、2021年度末に国土交通省が実施したアンケート調査では、約4割の運送事業者が荷主や元請運送事業者から収受できている一方、一部収受できていない運送事業者が約4割、全く収受できていない運送事業者が約2割との結果が出ており、必ずしも十分な料金を収受できていない状況である。高速道路料金は、2020年4月に国土交通省が告示した「標準的な運賃」において、運賃とは別に実費として収受することとしており、荷主などが高速道路の利用を前提とした運送を依頼しながら高速道路料金の負担を拒んだ場合、貨物自動車運送事業法に基づく働きかけや要請などの是正措置を講じている。さらに先月、関係閣僚会議にて、岸田総理から6月上旬を目途とした政策パッケージの取りまとめの指示があった。この政策パッケージの中に委員ご指摘の適正な運賃・料金の収受を含め実効性のある具体策を盛り込めるよう、スピード感を持って関係省庁と議論を深める。

森屋隆参議院議員:約6割の事業者が十分な高速道路料金を収受できていないことは問題である。慣例のようなものもあると考えており、変えていかなければいけない。加えての質問となるが、高速道路のSA・PAの駐車マスについて、有料化の話を伺っているが、考え方を示していただきたい。

丹羽克彦道路局長:高速道路の駐車マスの予約については、現在NEXCO中日本にて、中型車以上を対象とした無料の駐車場予約システムの社会実験を東名高速道路下り線の豊橋PAで2019年4月より実施している。実験では深夜時間帯で予約上限に達し、その前後の時間帯は比較的空いている傾向が把握できたことから、分散駐車を促すために2021年5月より混雑時間帯にて予約を有料化している。
 駐車場予約に関する社会実験で、確実に駐車できるため利用しやすい、また、駐車マスが限られる特大車などの特殊車両においては特に便利であるといった意見がある一方、予約したい時間に空きがなく利用しにくいといった意見がある。また、空予約や予約が入らない時間帯が生じることにより、駐車マスが十分に活用されないといった課題もある。国土交通省として、高速道路会社と連携し、社会実験の実施状況や関係者の意見を踏まえ、駐車場の予約や有料化の検討を含め、SAでの休憩施設の利便性向上に取り組んでまいりたい。



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