結成50年の節目を迎えた運輸労連第51回定期大会 東京・浅草公会堂で開催

2018年度(中間年)運動方針を決定
「人」を大切にし、「人」が集まる産業をめざし、世論を動かす運動を進めよう

 運輸労連は7月4日(水)〜5日(木)の2日間、東京・浅草公会堂にて「第51回定期大会」を開催。全国から代議員・オブザーバーほか、約700名が出席しました。
 大会は成田中央副執行委員長が開会を宣言し、難波中央執行委員長のあいさつでスタート。連合・神津会長をはじめ、全国労働金庫協会・佐藤常務理事、中央労働金庫・須田副理事長、全労済・濱田常務執行役員、運輸労連顧問・赤松衆議院議員(衆議院副議長)ほか多数のご来賓にご臨席を賜りました。
 来賓あいさつで連合・神津会長は、働き方改革関連法の成立について、連合が求めてきた事項が実現する点は評価できるが、高度プロフェッショナル制度が法案から削除されることなく創設されたことは極めて遺憾だと述べ、「国民不在の一強政治の弊害である」と語気を強めました。しかし、運輸労連の請願署名活動や連日の国会傍聴行動が奏功するなど、参議院厚生労働委員会において、法の実効性を高めるため、関連法に47項目の附帯決議が盛り込まれたことは前進だとして、今後も連携を強め政治の構造を変えていこうと呼びかけました。
 大会議事では、小畑中央書記長が「一般経過報告」および第1号議案「2018年度(中間年)運動方針」を提案。この報告と提案に対して12名の代議員から質疑・要望が出され、大会1日目の議事は終了しました。
 大会2日目は、第25回参議院議員通常選挙の推薦候補者あいさつの後、2017年度決算報告・会計監査報告を承認。前日の一般経過報告および第1号議案に対する質疑・要望に中央本部の各担当役員が答弁し、満場一致で一般経過報告・第1号議案が承認・可決されました。続いて福本中央書記次長が第2号議案「2018年度一般会計予算ならびに特別会計」を提案。こちらも満場一致で可決されました。
 その後、スローガンが採択され、森下中央副執行委員長が「トラックの存在感を示しつつある今こそ、一意専心で運動を展開しましょう」と閉会のあいさつ。最後に難波中央執行委員長の音頭による「団結ガンバロー三唱」を行い、第51回定期大会は閉会しました。

 

<スローガン>
魅力ある運輸産業をめざし 政策実現に向けた力強い運動を!
若者が夢と希望をもって働くことができる未来を構築しよう



委員長あいさつ(要旨)


中央執行委員長
難波淳介

運輸産業の課題と展望を社会全体で共有し
物流の位置付けを高めていこう


 6月18日に発生した大阪府北部地震に遭われたすべての皆様にお見舞いを申し上げます。運輸労連は、引き続きこれまでの震災を風化させない運動に取り組むとともに、全国各地で経験した教訓を活かし、自然災害に対する防災・減災の活動に積極的に取り組んで参ります。
 周知のとおり、昨年の第50回定期大会で決議し取り組んだ「100万人請願署名」は、185万筆の署名を集めることができました。すべての仲間の皆様に感謝申し上げます。
 この署名活動は各方面へ波及し、連合でも取り組みを強化していただきました。一般則の適用は叶わなかったものの、衆参両院の附帯決議で、現行の「改善基準告示」の総拘束時間の早期見直しが盛り込まれたことは大きな前進です。こうした働き方改革に関連して、「兼業・副業」が解禁となる可能性もありますが、長時間労働の是正が喫緊の課題であるトラック運送事業にはそぐわないことを強く訴えていきたいと考えます。「兼業・副業」反対の立場で主張を続けるとともに、総拘束時間の縮減が賃金水準のダウンとならないよう、賃金体系の見直しも含め関係各所への働きかけを強めて参ります。
 トラックの安全に目を向けると、2017年1月〜12月の労働災害発生状況は、陸上貨物運送事業の死亡災害が137人・前年比38.4%増、死傷災害も14,706人で前年比5.2%増となっています。事故・災害の発生は本人のみならず、家族や同僚にとっても大きな傷跡を残します。今年の6月に、睡眠不足のトラック運転手の乗務を禁止する改正輸送安全規則が施行されたことも踏まえ、事故災害ゼロ職場の実現に向けて不断の取り組みを進めていくことを大会参加者全員で確認しましょう。
 最後に、春季生活闘争についてです。今次春闘は、中小労組の頑張りが目立ちました。同時に、従業員・組合員の賃金に対する中小企業経営者の意識の変化も感じられました。言うなれば、これまで私たちが春闘交渉の中で主張してきた考え方に、企業経営者の考え方が近づいてきたといっても良いと思います。しかし、組合が月例賃金の引き上げ交渉を重ねる一方で、企業経営者の抵抗感はやはり根強いのも事実です。いずれにしても、2019春闘の大きなテーマになり得る点は、「働き方改革」の実践による長時間労働の是正が賃下げとならないように、賃金諸制度の見直しを進めていかなければならないということです。
 以上、運輸産業の課題と展望を社会全体で共有し、物流の位置付けを高めることで真に魅力ある産業にするために、この1年を皆さんとともに取り組んで参りたいと思います。

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