第2回加盟組合新役員セミナーを開催
実践型・参加型のセミナーで、 組合リーダーに必要なコミュニケーションスキルを習得







 2月27〜28日の2日間、「第2回加盟組合新役員セミナー」が宮城県仙台市・ホテルニュー水戸屋において開催され、東北ブロックを中心に静岡県連・大阪府連から25名の受講者が参加しました。
 開会のあいさつで東北ブロック・柴谷代表委員は、組合員の期待に応え難い労使交渉の現状に触れ、「春闘などの労使交渉で得られた結果に、どのような経緯で辿り着いたかも組合員に伝え、理解してもらう必要がある。それにより、組合員の声にならない悩み・不満・不信感を取り除き、組織の結束を強め、前に進むことが労働組合の役割として重要。だからこそ、今回のようなセミナーが必要である」と述べ、今回のセミナーに対する期待感を明らかにしました。
 運輸労連の教育活動の一環とし、組合役員のレベルアップを目的とする本セミナーは、効果的なコミュニケーション方法やプレゼンテーション技術、物事の考え方、モチベーションの高め方といった、組合役員として基本的スキルの習得に軸足をおいた内容。講師には、組織づくりをサポートするイキクリエイト代表・平塚大輔氏(現在・明星大学経済学部准教授、元・西武百貨店労働組合中央執行委員長)を招き、ディスカッション・グループワークなど受講者参加型のセミナーとなりました。
 セミナー1日目は、インタビューした相手を他の参加者たちに紹介する他己紹介や、各グループがバラバラの情報を組み合わせて答えを導き出すゲーム、「MY lifeシート」に自身の現状・目標を記入するなどの実習を通じ、コミュニケーション・コーチング・リーダーシップの重要性や問題の具体化を実践。
 2日目は、班ごとに「組合員がいきいきと働くため、組合はなにをすべきか」の具体的なアイディアをポストイットに記入し、実現度や有効度に島分けされた模造紙の該当部分に貼って集約。それを他班のアイディアと比較し修正する課題着手のプログラムや、モチベーションが上がる要因・下がる要因を参加者個人が書き出して、各班で代表的なものをそれぞれ発表するなど、組合役員に必要な具体的なスキルを実習しました。
 講師を務めた平塚氏は今回のセミナーを通じ、「個人のニーズがバラバラの現在、賃上げ一辺倒の組合活動では盛り上がりに欠けるのは仕方がない。それを踏まえ、これからの労働組合の役割は、個々の現場の不満を解消すると同時に、たとえ組合・組合員にとってデメリットがあっても将来に向けた政策を立案し、社会正義を貫いて企業に対する牽制をすること。だからこそ組合役員に必要なのは、既存の枠組みで人や組織を管理するマネジメント能力以上に、新たな運動・政策のビジョンをもち、それを志向し立案するリーダーシップ。好む・好まざるにかかわらず、どんな経緯であれ組合役員になったからに、ぜひともその経験を自身のスキルアップ・キャリアアップに活かしてもらいたい」と組合役員への思いを語っていただきました。
 セミナーの最後に高橋中央副執行委員長は、「今回のセミナーが、現在皆さんが取り組まれている春闘交渉や、組合員との話し合いで活用されることに期待。参加された皆さんの意見・要望を反映し、今後も開催していきたい」と述べ、第2回加盟組合新役員セミナーは無事終了しました。

参加者の声
● 組合活動への考え方が変わりました。まずは組合員とのコミュニケーションを密に行い、組合活動を活発化させたいと思います。
● 新役員だけでなくベテラン役員にも役立つセミナーだと感じました。
● 実践感覚の参加型セミナーだったので非常に有意義だったと思います。
● 組合員の話をしっかりと「聞く」ことの大切さを改めて実感しました。
● 内容の密度が濃い分、スケジュール的にタイトでした。もう少し時間に余裕があればと感じました。


開会のあいさつで
東北ブロック・柴谷代表委員



組合役員への思いを語る講師を務めた平塚氏

習得されたスキルが、活かされるよう期待すると
あいさつする高橋中央副執行委員長

グループ分けで実習中心のセミナー