1.道路特定財源(自動車関係諸税)の取り扱いについて
道路特定財源は、「使い道を道路整備に特定する」として国が定めたものであり、急速な道路整備の促進による財源不足から、「本則を上回る暫定税率」まで設けられました。
その結果、自動車ユーザーは「受益者負担」の原則に基づき、三十数年にもわたり過重な税を負担してきました。
道路特定財源はすでに一般財源化されており、課税根拠は既に失われていることから、暫定税率はもとより本則を含め税目そのものが廃止されるべきと考えています。
民主党は先の衆議院選挙に際し、自動車関係諸税は「あまりに複雑であり、一部が二重課税となるなど、自動車ユーザーに過重な負担を強いていることから、抜本的な改革を行うとし、その改革の第一歩として暫定税率を廃止する」とマニフェストで明らかにしていました。
しかし、平成22年度予算において「暫定税率は廃止するが、新たな仕組みで税収は維持し、原油価格の高騰時には停止する」との考え方が示されました。 長年の悲願である「暫定税率の廃止」がようやく実現するものと信じ、先の衆議院選挙において、組織の総力を挙げて応援をしてきた私たちにとって、このような考え方は到底理解できるものではありません。
トラック運輸産業は、規制緩和による過当競争に加え、安全・環境コストの増加やデフレ経済下で運賃・料金改定も進まないなど、危機的な経営実態にあり、倒産に追い込まれている企業も倍増しています。
そのため、賃金や労働時間をはじめとする労働環境は一段と悪化し、運転者をはじめとする労働力不足も深刻な問題となってきています。
くわえて、本則税率を引き上げ一本化するなどの「新しい仕組み」への変更は、われわれトラック運輸産業にとっては、未来永劫に渡り過重な税負担を強いられることとなります。
トラック運輸産業が、将来にわたり国民の信頼に応え、安全で安心な公共輸送産業としての社会的責任を果たしていくためにも、マニフェストでの公約通り早期に暫定税率の廃止を実現いただくようご要請いたします。
2.放置車両取り締まりについて
駐車違反の取り締まりについては、2006年6月より道路交通法の一部が改正され、放置車両の取り締まりとなり、違反車両を特定する業務が「民間委託」されました。
その結果、一般車両の駐車違反が減少したのも事実ですが、業務上お客様からの依頼に基づき、荷物の集配をせざるを得ない営業用トラックが集中的に取り締まられることとなっています。
運輸産業の特性上、市街地の構造やビルの構造など、統一的なインフラ整備が行われていない中で、どうしても道路に駐車せざるを得ないのが実態であります。
各事業者では、一般の有料駐車場の活用や2名乗務などの対応策を図ってきましたが、厳しい経営環境の中でそれも限界に達しています。
私たちは、この法改正が実施される以前から、専用パーキングや荷捌きスペースなどのインフラ整備がされないまま、一般車両と同様に営業車両も取り締まられることは問題であるとして、「営業用車両に対する配慮」を求めてきました。
その結果、警察庁より「物流の必要性について配慮した規制の見直し」などの通達を出していただくことができました。
しかし、具体的な取り扱いが現地の警察署に委ねられていることから、その対応にも温度差が出ており、同じ道路交通法の適用を受けていながら、地域によって異なる取り締まりとなっています。
取り締まられた車両については、罰金と行政処分が課せられることとなり、罰金については企業が負担したとしても、行政処分はドライバー個人に課せられるため、ドライバーから転職する者も出てきています。
現在は、東京を中心に都市部での取り締まりが厳しくなっていますが、年々、駐車違反の取り締まりを民間委託する警察署が拡大し、民間監視員も増加の一途にあることから、いずれは業務のすべてが民間委託されるものと考えられ、このままでは、お客様の要請にこたえる輸送サービスを行うことができず、結果として国民生活や経済活動に支障をきたすことも想定されます。
したがって、都市部や市街地、商店街などの専用パーキングや荷捌きスペースなどの拡充・整備を推進していただくとともに、現行の道路交通法を
(1) 営業用車両の駐車規制からの除外措置
(2) 道路交通法第2条の「貨物の積み下ろし5分」を「貨物の集配30分」に
などについて、改正いただくよう要請いたします。 |